この時のジェフ・ベックの来日は何回目だったのだろうか。 73年のB,B&Aが初来日だったと思う。その後75年の「ワールド・ロック・フェスティバル」の時にも来たはずだ。 でも、確かその時はベック本人の体調不良を理由に、ほとんどの公演で彼の演奏は中止になったのではなかったか。 ビートたけし氏が「日本ロック界のカダフィー大佐」と称した内田裕也氏がそのフェスティバルを仕切っていた。 内田氏がインタビューで「頭にきたけどぉ、奴(ベックのこと)も泣いてたってゆうから。」と答えていたのが思い出される。 さて、スタンリー・クラークと共に来日したこの時のコンサートだが、演奏はあまり印象に残っていない。この日のベックの調子があまり良くなかったのかもしれない。 メンバーも、ドラムはサイモン・フィリップスだったと思うがあとは誰だっけなぁ。 スタクラのベースの音色、奏法ともなにか全体の中で浮いていた感じだった。 唯一覚えているのは「Scatterbrain」を演奏した時、途中のテンポが速くなるところでドラムから入った際の光景だ。 その時、「ちょっとまった、速過ぎんじゃないの?」と思ったのは聴衆の中で私だけではなかったはずだ。雰囲気で分かる。 案の定ベック自身もそう感じたらしく、横目でサイモン・フィリップスをにらんでいた。 しかし、スローダウンするわけにはいかない! 苦肉の策としてベックはきつくミュートをかけて演奏のあらが目立たないようにしていた(ように私には聞こえた)。
生で2大スターの共演を見ることができて良かった、と自分に言い聞かせながら帰路についた。
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追記 突然の訃報(2023.01.12記) |
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