「おまえはムツゴロウか!」、と思わずどなりつけたくなるコンサート・タイトルだ。 チケットの右端に御招待とある通り、これは当時某レコード会社に勤務していた友達にもらって見に行ったのだった。確か前売券があまり売れていなかったからだった。 70年代半ばに、それまでのジャズ・ロックからクロスオーバーを経て最終的にはフュージョンという名前に落ち着いたジャンルの音楽。 ジャンル名の変遷とともに音もどんどん骨抜き、毒無しになっていったように思う。悪い意味でのイージー・リスニング化とでも言おうか。 そんな状況下での満を持しての来日だった、のだろうか?(笑)
トム・スコットという白人サックス吹きは,もともとLAエクスプレスというジョニ・ミッチェルのバックで演奏したこともあるバンドのメンバーだったような気がする。が、記憶に自信がない。 この時のメンバーは、今は亡きリチャード・ティーやエリック・ゲイルをはじめとした、そうそうたるミュージシャン達だ。 確かに全員そろって演奏がとても上手くしかも安定感抜群だったことは印象に残っている。 特にリチャード・ティーのピアノの躍動感には恐れイリヤのクリアキンだった。(ネタ古過ぎ) ただ「お仕事」として演っている感じも何故か伝わってきた。彼らの発するオーラの質からか? 今でも鮮明に脳裏に焼き付いているのは、最後にトム・スコットが順番にメンバー全員の紹介をしている最中に、メンバー達が皆おかまいなしにさっさと引っ込んでしまった場面だ。
見ている方も後味の悪い幕切れだった。
どうやら彼らはトムの仲間達ではなかったようだ。 |
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