このコンサートのお目当ては加藤和彦氏ひきいるサディスティック・ミカ・バンドだった。 今にして思えば2月にファースト・アルバムのレコーディングを終えての生演奏だったのだ。 この時はまだアルバムを聴いていなかったので「サイクリング・ブギ」くらいしか知らなかったが、アルバム同様ストレートなロックンロール・ナンバーが多かったのを覚えている。 ビジュアル的にはリードギターの高中正義氏が紫色のロングヘアーと特大サングラスで1人で目立っていた。 それと新しいもの好きの加藤氏がアープ社のシンセサイザー、オデッセイをステージ上にセットしていた。 しかし、はしだのりひこ氏が「風」(だったと思う)を歌う時にイントロで風の効果音をそれで出そうとしたのに全然音が出なかった。昔のシンセはセッティングによっては音が鳴らなかったのだ。 とっさにはしだ氏が口で風の音を真似て「この方が早いわ」と笑っていた。必死で努力していた気の毒な加藤氏に同情した私だった。 フォークグループ「五つの赤い風船」にいた西岡たかし氏の演奏はまったく記憶にない。 初代フォークの神様、岡林信康氏は、当然「えんやとっと路線」以前だったし「演歌志向」よりも前だったと思う。 この時に「チューリップのアップリケ」を歌ったような気がするのだが。 豊かな時代しか知らない人にはぴんと来ないかもしれないが、「貧乏」がテーマのこの曲を初めて聴いた時にはかなり衝撃を受けてしまった。 この時が最初で最後だったと思われる「4人の会」。
彼らの共通点は関西出身ということだけだったのか。
追記(2022.05.14) 生き証人だった頃の記録(2014.01.28記) プロデューサーの役割(2014.02.11記) |
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