2003年8月分

音楽雑記帳

トップページへ
---------------

8月29日(金) 創始者の十年一日(執念結実?)

さて、アルバム「Tour De France Soundtracks」及びシングル「Tour De France 03」の感想ですが。

何と申しましょうか、やっぱりkraftwerkでした。(苦笑)

現役としての存在意義が創始者としての存在意義を上まわることはできなかったと言ったら分かりやすいでしょうか。

もっとももしも彼らがいなかったならばテクノという大枠でくくられる現在の一つのジャンルが存在し得なかったことを考えれば仕方がない現実ではあります。

誤解のないように付け加えておきますと彼らの一ファンとしては十分に満足できる内容です。

テクノ系に興味のある方にとっても必聴の作品だと思います。

出し入れ抜き差しに加えて開閉の快感が強調されている点が新味でしょうか。(注記:音の話ですよ)

彼らが今後企画ものでない新作を発表してくれることに期待をつなげたいと思います。

---------------

8月22日(金) 手放しでは喜べない利便性

数日前の拙サイト掲示板への書き込みをきっかけにkraftwerkの実に17年ぶりになるという新作アルバムが発売されていることを知りました。

既存の楽曲のリミックスであった「THE MIX」が発表されてからも既に10年以上経っています。

この頃は音楽雑誌を読むことのない私はこの件に関してまったく知りませんでした。ビックリ!

ネット上で少し調べてみるとアルバムに先立ってマキシ・シングルが7月に発売されたようです。

たまに行く地元のタワーレコードでも見た記憶がありません。短期間で売り切れたという可能性はありますが。

アマゾンで調べてみるとアルバムの国内盤は9月10日発売予定になっていました。

それまで我慢できない私は、アマゾンで英国盤ならアルバム、シングルともに入手可能なことを知ってしまいました。

余程のことがない限りネット販売は使いたくないという意固地な私ですが、今回は余程のことなので(苦笑)、その利便性に屈してしまいました。

安くてどうもすいませんプライスにも驚かされました。

アルバム「Tour De France Soundtracks」が1,846円、シングル「Tour De France 03」が650円ですもの。

2枚合わせて消費税込でも2,621円で送料は無料です。

前回初めてアマゾンで本を買った時に利用した代引の手数料は確か300円だったと記憶していましたが今回見ると250円になっています。

クレジットカードの16桁の番号をインターネット経由で知らせることに警戒感を抱いている私は今回も代引で、と思ってよく読むと注文時には下5桁の番号だけを入力して後に電話(フリーダイヤル)で全部の番号を知らせる方法もあることを知りました。

これなら手数料もかからないので今回はこの方法で申し込みました。

電話受付嬢の対応は仕事としては完璧なものの一言も無駄のない味気なさ。

で、あることを思い出しました。

数年前のある世紀末特別テレビ番組で20世紀の10大ニュースを各界の著名人にきくという企画がありました。

多くの人達が広島、長崎への原爆投下など共通の項目をあげる中、ある写真家ただ一人があげた「スーパーマーケットの出現」が強く印象に残っています。

つまり売り手と買い手の相互信頼をよりどころとする人間関係の消失です。

目の付け所が鋭い人だと感心させられたものです。

現状は利便性と引き換えに失うものがあるのだということにさえ無自覚な人々の方が既に多数派なのでしょう、残念ながら。

おっと悲観ばかりもしていられません。

それにしてもこちらの残暑の凄さよ。連日猛暑が続いています。先ほど寒暖計(死語?)を見たら避暑地なのに室内で摂氏34度!

こんなにあぢぃ~のに蝉達ゃあ~大合唱でさぁ~ご主人様。

というわけで、届いた昨日2枚とも一度ずつ聴きましたが感想はまた後日。

---------------

8月20日(水) 和魂洋才よりも無魂多才か!?

先日自室で四人囃子の「一触即発」を聴いていたら珍しく連れ合いがのぞきに来て、「いいねぇ、誰?」と私にききました。

「四人囃子」と応えると、「やっぱり」。

70年代初頭にめんたんぴん、キャロルの熱烈なファンであった彼女は、日比谷の野音など相当数のコンサートやライブ・スポットに足繁く通ったそうで、もっぱらレコード(アナログ盤)とラジオ放送でそれら日本のロック・バンドに接していた私とは対照的な行動派でありました。

当時の行動は異なっていたものの、二人ともこの時代の日本のロック・バンドの音の重さが好きだという共通点があるので、しばし昔懐かし話に花を咲かせてしまいました。

四人囃子に限らず当時の日本のバンドも現代同様そのお手本は欧米のロック・バンドで、音楽的には明白に消化不良と感じさせるような部分も併せもっていることが今よりも多かったという時代でした。

なのに何故その頃の本家の欧米のバンドとは別に、日本のバンドからも独自の魅力を感じるのかが自分の中でも判然としないでいました。

そのことが気になり私の脳内が一触即発状態にあったためか、後日ある新聞記事中に和魂洋才という言葉をみつけた瞬間にひらめきました。

これだ!

元々「日本固有の精神と中国伝来の学問」という意味で用いられていた和魂漢才という言葉が、明治維新以降我国のお手本が西洋(ヨーロッパ諸国)に代わったために和魂洋才という言葉が生まれたのでしょう。

私は、和魂洋才という言葉を目にして初めて、当時の日本のバンドがまだ保持していた和魂に惹かれていたことに気が付いたのでした。

話は変わって、裏庭に植えてあるニガウリの一株がこのあいだ接近した台風の強風でゆさぶられたために徐々に弱っていく姿を、自室の窓から見ることができます。

根をやられるとすぐには枯れませんが少しずつ弱っていきけっして実はなりません。

同じ支柱にからまっている元気な株とその葉色を見比べると哀れであります。

和魂について考えていたらその姿が我国の現状と重なってしまいました。

我国は先の敗戦後にアメリカ合衆国の占領政策で伝統という国の根っこを断ち切られました。

社会の仕組を変えても人間を入れ換えるわけではないのですぐには失われたものに気が付きません。

が、半世紀以上に渡る世代の入れ換わりによって、もはや和魂など顧みられることすらない過去の遺物化しているのでは。

私が、いわゆるJポップを筆頭に最近の邦楽に(ごく一部の例外を除いて)まったく魅力を感じない理由もここにあるのだと思います。

今や欧米に限らず世界中の音楽をお手本としてそれらを上手にこなす日本人になりました。

しかし多才、多彩さばかりに目(耳?)を奪われて根本、魂本を見失っている音楽とは一体なんなんでしょう。

もっとも私自身が、最初にアルバム「一触即発」を聴いた当時その日本語の歌詞が恥ずかしくて仕方ないというほど洋尊和卑、洋高和低な価値観を信奉していたのですから偉そうなことは言えません。(ってもう言ってるか)

和魂が消え去ってしまったことにかろうじて気付くことができる最後の世代に私は属しているのかも。

魂を入れ直すのは、受験対策ではありませんが今からでも遅くないと思いたいです。

以上、長々と無才オヤジの嘆き節でした。(長文&大風呂敷失敬)

---------------

8月10日(日) 生涯現役ギタリスト宣言断固支持

jeff beckの最新作「JEFF」を聴きました。

多くの人達が指摘している通り私も彼のギター演奏における表現能力が上達し続けていると思います。

その昔手癖フレーズを異なった楽曲で何度も使い回していたことが嘘のようです。

近年音楽製作にコンピュータを用いるようになった結果として楽曲というものの既成概念を覆すようなジャンルの音楽が誕生しました。

共に三大ギタリストと称された他の二人エリック・クラプトン、ジミー・ペイジと比べると作曲能力で劣っている感が強かった彼にとっては、この種の音楽の登場は好都合だったのではと思います。

楽曲の構成においても「テーマ~即興ソロ演奏~再びテーマ」という使い古された形式から脱皮できるわけですし。

いやぁ~、私の期待通りで良いっすよ!

ヒット狙いとブルース回帰のループにはまってるクラプトンや、かつての栄光が足かせになっているペイジよりも、彼の方がずっと今を生きるギタリストです。

ただし彼の前2作が好きになれなかった方は絶対に買わないで下さい。(苦笑)

---------------

8月5日(火) やっと発売されました

先ほどCD屋さんから電話があり3月下旬に発売される予定だったジェフ・ベックの新作が入荷したとのこと。

何故こんなに遅れたのか不可解ながらも早く聴きたい気持ちにかわりはありません。

どんな内容なのか何も分からないのでさっそく検索してアマゾンにある同作のレビューを読んでみました。

予想通り全2作の延長線上にあるようで、打ち込みドラムに抵抗のない私としては期待が高まります。

今夏も連日猛暑が続く折、彼のギター演奏ですっきりしたいところです。

もっとも私は自動車内の冷房は基本的に使わない主義なので、CD屋さんへ向かう1時間半のドライブ時の汗かきがそれに先立ちますが。


---------------

一月前の雑記帳 | 最新の雑記帳 | 一月後の雑記帳