これは山下氏に関する予備知識がまったくない状態で行ったコンサートだった。 何故なら後援をしている月刊音楽誌ライト・ミュージック・マガジンのプレゼントでチケットが当たって行ったからで、それ以前に彼の音楽を聴いたことはなかったからだ。 ヤマハが刊行していたこの雑誌には山下氏の「風雲ジャズ帖」が連載されていた。 雑誌のタイトル同様ちょっとあか抜けない部分もあったもののプレーヤー・マガジンが出る前にすでに各種楽器のポップス向き演奏法入門コーナーなども載っていたなかなかのもので、廃刊になるまで購読していた。 この時の演奏内容はほとんどおぼえていないのだがそれは多分私がまだフリー・ジャズというものを知らなかったからだと思う。
そんな耳で聴くと「めちゃくちゃ」あるいは「でたらめ」と判別がつかないのだ。 ただ、それが純然たる音そのものからきたものなのか、それとも「ひじ打ち」をもまじえた激しい演奏風景を初めて目の当たりにした驚きもあいまってなのか、今となっては定かではない。 とにかく結果として若かった私の音楽的視野を広げてくれたことは確かだ。 この後、初心者だった私にとってとても参考になった同マガジンの「ロック・ピアノ講座」の講師であった深町純氏からバトンタッチしてFM東京の「音楽って何だ!」のDJもつとめた山下氏。
あの番組も貴重な情報源だった。
追記(2023.02.06) 米国東海岸達人演奏家襲来(2002.10.22記) 一発勝負の気合い(2002.11.07記) 三角形が二つ(2009.08.06記) 私剽窃(2022.06.08記) 掲載当時にこのコンサート評を読んだ深町氏からメールが届きました。それに触れた記事です。 ハードディスク初クラッシュ(2011.01.22記) |
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