79年の時点でも日本武道館の音はまだまだひどかった。 それは十分承知していたので、彼らのスタジオ録音盤で聴けるような、全ての楽器のつぶ立ちの良い何とも気持ちのよいサウンドの再現は最初から期待していなかった。
それにしてもこの時のスネア・ドラムの音は最悪で、工事現場で聞こえてくるような音だった。 ただし人数が多いので、全員が音を出すところではもうグルングルン音が回っていた。 見ていて不思議だったのは、聞こえてくる音と目に見えている演奏の動きが合わない時がたびたびあったことだ。 特にベースを弾いていたバーダイン・ホワイト(だったっけ?)が踊りほうけて弾いていない時にもしっかりベースの音が聞こえることが何度もあった。 やはりステージのそでで演奏している影のメンバーがいたのか、それとも、、、?? 集中して観察したが録音テープに対するあてぶりには思えなかった。謎だ。 結果的には、彼らの場合は視覚的に楽しませてくれる部分も多かったので、行って良かったと思える内容だった。 びっくりしたのはメンバー全員が音のブレイクにシンクロしてストップ・モーションを繰り返すところなどの雰囲気が、日本のコミック・バンドのそれに酷似していたことだった。 考えてみると黒人だけの生演奏を見たのはこの時が初めてだったかもしれない。
彼らの生来の明るさでそうなるのかもしれない。「楽しむ=笑う」私も共感できる等式だ。
追記(2021.11.28) 肌の色と売れ具合(2003.07.31記) |
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