10月31日(木) |
優雅な者たち(Elegant People)の未発表ライヴ演奏集 いやぁ~、今月も隣町のジャズ喫茶へ行ってスイングジャーナル誌の最新号を読んで大正解でした! と言うのもそれまでWeather Reportの未発表ライヴ演奏を集めたアルバム「LIVE & UNRELEASED」が当月23日に発売されることをまったく知らなかったもんで。 行きつけのCD屋さんに電話したところ既に入荷していたので取り置きしてもらい28日に受け取りに行き、今日初めて聴きました。 こんな凄い音源が残っていたとは驚きです。 1975年から1983年にかけて5つの異なった編成での演奏が収められています。 私が特に演奏を聴きたいと望んでいたalex acunaがドラムを担当している編成での楽曲もあり、期待以上のできでした。 ここまでの即興演奏をするバンドは唯一無二、空前絶後だと断言したくなるほど素晴らしい内容です。 先日FM放送の番組にゲスト出演していた山下達郎氏が、70年代は娯楽のなかで音楽が突出していた特殊な時代でありゲームやCGなど多くの娯楽がある現代では音楽の占める割合は小さくなっている、というような話をしていました。 確かに70年代は才能に恵まれた人材が音楽畑に沢山集まっていたのかもしれません。 才能を発揮する場が増えるのは良いことだとは思うものの、広く浅くになっていく懸念も残ります。 そう言えばクラシック以外のジャンルでは最近第三世界出身の優れた演奏家が目立つような気がします。そこでは日常生活のなかでまだまだ音楽が重要な位置にある、ということがその理由もかもしれません。 |
10月26日(土) |
ロックがハードだった頃 ここを読んでくださった70年代のハード・ロック・ファンの方には喜んでいただけると勝手に確信しています! 本日更新しました「網以後すぅ」に追加しましたChelseaさんのサイトに、Dr.Siegelこと成毛滋氏の貴重なレア音源があるのです。 解説が面白い上に、当時の時代背景もうかがい知ることができ、とても興味深いです。 色々な編成で演奏されていますし音楽性にも幅があるので全曲チェックすることをおすすめします。 私個人的にはバンドGypsy Eyesの2曲が一番気に入り、聴くたびに熱くなっております。 柳ジョージ氏のボーカルにはかなりロック魂が入っててポール・ロジャースを思い起こしましたし、角田ヒロ氏のドラミングときたらそりゃもう、、、 あとは各人個々にお確かめくださいませ。 |
10月22日(火) |
米国東海岸達人演奏家襲来 先月アドリブ誌でjaco pastoriusの貴重なレア音源コレクション「Portrait of Jaco the early years」の日本語ヴァージョンが発売されることを知り、そのレーベルRoving Spiritsのホームページを見に行ったところ、それとは別にアナログ盤時代の作品の嬉しい再発売情報をみつけました。 1978年に深町純氏がニューヨークの達人スタジオ・ミュージシャン達を日本に招いて共演したライブ盤「Jun Fukamachi & The New York All Stars/Live」です。 私は当時このコンサートの模様の一部がFMラジオ番組で放送された際にカセットテープに録音しました。 ところがカセットテープの爪を折っていなかったためか上から別の音源を重ねて録音してしまったためにほとんど全部消してしまいました。 かろうじて最終曲「Love Play 」の最後の数分間の演奏とメンバー紹介だけが消されずに残っていて、その部分の素晴らしい演奏を聴くたびに異様な興奮状態になり、何故消してしまったかと悔やむことが何度もありました。 それだけに喜びもひとしおであります。 スタジオ・ミュージシャンの演奏によるフュージョンというジャンルの音楽だからといって軟弱なものだけではないことを思い知らせてくれたという意味で、我国の音楽界に衝撃を与えた歴史的名演奏を完全版で再び聴くことができるようになるとは、最高に幸せです! |
10月13日(日) |
正しい呼び名は民俗音楽 分かったような分からないような「ワールド・ミュージック」だとか「エスニック」などという呼び名が存在しなかった私の青春時代に、「民俗音楽」を庶民に周知させるべく活躍されていたのが故小泉文夫氏でした。 知らされなければとても東京芸術大学の教授とは思わないであろう気さくな人柄で親しみやすい風貌の氏は、当時NHKの教育テレビで民俗音楽を紹介する番組に出演され、毎回世界各地の音楽を歴史や文化も交えつつ分かりやすく解説なさっていました。 地球上には西洋音楽以外にも素晴らしい音楽が沢山存在し、演奏技術では西洋楽器より難易度が高い民族楽器があることを時には例証しながら、必ずしも西洋音楽が頂点に位置しているわけではないことを主張し続けておられました。 若かりし私は氏のお陰で音楽を考える際の視野をずいぶん広く保つことができたと今でも感謝しています。 後に氏の著作も何冊か読了しました。 氏の説明のなかで一番衝撃を受けたのはインドネシアのガムランに関するものでした。 一番大切な音は音量を小さく演奏したり、少しタイミングを遅らせて演奏するというのです。 これはインドネシアの人達が実際の話し合いの場で行なっていることが音楽に反映したからなのでした。 強く主張したい時には他人を押しのけて声高に、というのとは正反対の作法です。 印象に残っている理由は、このことに驚くとともに共感できる部分が自分のなかにあることに気付き、やはり同じアジアの人間だからだろうかと妙に嬉しかったからかもしれません。 |
10月4日(金) |
クロスオーバーからフュージョンへ bob jamesというと大昔の4分間つなぎテレビ番組でクレジットの丸井が提供をしていた「世界あの店この店」を思い出してしまう私ですが、その彼が主宰していたタッパン・ジー・レーベルの作品群がCDで再発売されていることを時々訪れる隣町のジャズ喫茶(死語?)で読んだスイングジャーナル誌で知ったのは確か先月初めでした。(ふぅーっ、長文失礼) 彼自身名義の作品はあまり買う気がしないなかその記事で評価が五つ星だったrichard teeの「STROKIN'」の方を聴いてみたくなり手に入れました。(記事の筆者の思う壺か?) ティーの上にのっている彼の名前が記されたゴルフボールが大写しされているジャケットが印象的なこの作品はアナログ盤時代にも聴いたことはなかったと思います。(今回のCDも紙ジャケットです) 振り返ってみるとどうもこのアルバムが発表された1978年頃にジャンル名がクロスオーバーからフュージョンに移行し始めたようです。 良くも悪くも耳障りの無いBGM的仕上げに長けたbob jamesがプロデュースしただけあって余分(?)な脂分は絞り取られています。 そんな作りでも各演奏家の個性が埋没していないのは彼らが皆達人だからでしょう。 ドラム奏者steve gaddのファンである私にとって、彼とピアノのrichard teeとのデュオで演奏され一番最後に収録されている名演「TAKE THE "A" TRAIN」は嬉しい楽曲でした。 同誌でべた褒めしていた日本人が制作したRAINBOW featuring Will Boulware名義で1976年に録音されたアルバム「CRYSTAL GREEN」も勢いで予約購入しました。 こちらも参加メンバーはニューヨークの一流スタジオ・ミュージシャン達で何人かは上記の作品と重複しています。 両盤の一番大きな違いは録音音質です。 上の作品を聴いた直後に続けて日本制作盤を聴くとメリハリの無いベタッとした音であることに愕然とします。 まあ5分も聴いていればそれに慣れてしまうのですが、、、 演奏内容は悪くありません。特に若き日のはつらつとしたmichael breckerのテナーサックスが炸裂していますのでファンの方にはおすすめです。 お値段も税込1,500円とお手頃です。 |