高校1年だったこの頃、日本のロック・ギタリストのなかで成毛滋の知名度はかなり高かったと思う。でも彼のレコードは持っていなかったしオリジナル曲もほとんど聴いたことがなかった。 有名になった理由はグレコ・ギターのテレビCM出演が一つ。もう一つはロンドンに行ってフリーのポール・コソフやユーライア・ヒープのミック・ボックスと会って「ギターの見せっこ」かなにかをしたという、今で言えば広告記事みたいなのが当時のギター少年のあいだで話題になったことだっただろうか。 当日の演奏で憶えているのは「展覧会の絵」の「プロムナード」をはじめとするEL&Pの曲のカバー(というよりコピーか)を披露したこと。それから成毛氏がドラムを右手と両足で叩きながら左手のハマリング・オン、プリング・オフで同時にギターも弾いた曲芸的な技。 さらに、このバンドではベースを担当していた高中正義氏がベース・ソロでCCRの「プラウド・メアリー」をバリバリいわせながら弾いていたことくらいか。つのだひろ氏についてはあまり印象に残っていないし、エムについては完全に忘れてしまっている。
この8年後に都内某所で成毛氏がいるところに高中氏が来る場に居合わせた。その時、「おっ!高中大先生の登場だ!」と成毛氏に言われて苦笑いしていた高中氏。見てはいけないものを見てしまったような気がした。 最近「プログレ&カルトシリーズ」とかいう妙なネーミングで成毛氏の作品がCD化されている。見るたびに手にとってしまうのだが買う勇気がなかなか湧かない。
この作品には、当時友達に教えてもらった時にあまりの可笑しさに腰砕けになってしまったEL&Pの「タルカス」のパロディー、「オケカス」も収録されているようだ。
追記(2021.08.19) ロックがハードだった頃(2002.10.26記) 金持ちの道楽(2007.04.07記) |
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