2002年8月分

音楽雑記帳

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8月28日(水) 8年前の最新作

もう1点のthomas dolbyの作品とは、その後彼が新作を発表していないために8年前の作品でありながら彼の最新作ということになる「THE GATE TO THE MIND'S EYE」です。

同名ビデオのサウンドトラックである本作は厳密に言えば一連のソロ・アルバムと同列に並べるべきものではないでしょう。

いくら楽曲を創作する際には常に頭の中で映像を思い浮かべているという彼であっても、いや、あるからこそ既存の映像作品に沿って作られた本作は純然たるソロ作品とは趣を異にするであろうことは察しがつきます。

コンピューター・グラフィックに対して生理的拒絶反応を起こしてしまう私としてはそれを駆使して製作されているという本編の映像作品自体を見ようという気は起きません。

もちろん音楽作品として聴いても充分に鑑賞に堪える作品にはなっています。

ところでCD盤を見て初めてこれが元々無償で配られたサンプル盤であることが分かりました。

それが外見上はサンプル盤という表示なしに1,250円で売られていたわけです。

この様な商売が法律上問題ないのかどうか、あるいは商習慣上はどういうことになっているのか、私は知りません。

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8月19日(月) 録音テープいじりの好影響か

テープレコーダーをいじりまわすという特異な遊びに興じている様から、学生時代に友人達からあだ名をつけられてしまった彼。

ノイズ・リダクション・システムDOLBYからその名をいただいてしまったthomas dolbyがその人です。

昨年もでかけた中古バザールで彼のアルバム「THE FLAT EARTH」をみつけ、同作品に収録されている秀逸なできだった楽曲「Hyperactive!」のビデオ映像を思い起こした私は手に入れることにしました。

このアルバムはサンプリング・マシンの先がけとも言えるFAIRLIGHT CMIを駆使して製作されたそうです。

考えてみれば現在この手の機器で行なっている音素材の編集は、過去においては録音テープを切ったりつなげたりして実際に手で触れながら作業していました。

ループは文字通り切り取ったテープを輪の形にして作っていましたし、テープを逆再生することも可能でした。

おそらく彼もそんな体験をした上で最新の機材を扱っているせいか、とってつけた様な不自然さはまったくありません。

今現在地元のどのCD屋さんにも彼のコーナーがないのが残念です。

実は同バザールで彼の作品をもう1点買い求めていますので次回はそれについてになります。

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8月10日(土) 小森のおばちゃ、ちゃッ、ちャッ、チャカ・カーンよっ!

というジャドーズによる集団物真似リレー・ギャグを昔友達に教えてもらいましたっけ。

というわけで今回はchaka khanですが、その前にジャドーズについて少し。

ネットで検索してみて彼らが現在のダンス☆マンなのだということを初めて知りました。

彼らの作品を聴いたことはないものの音楽に笑いの要素を加味するという個性は失われていないようですね。

さて、前回のWARのベスト盤は買うべくして買ったのに対して彼女の「EPIPHANY : THE BEST OF CHAKA KHAN volume one」は、ものの勢いと言うかいわゆる二番目の選択で衝動買いしてしまったものです。

アメリカン・ポップス好きなら皆聴いていたであろう彼女の数々のヒット曲をまとめて聴いてみたいという気持ちはもちろんありました。

実はそれ以上に期待していたのは、まだ一度も聴いたことがない数曲のプロデュースをスクリッティ・ポリッティのdavid gamsonがしていたからでした。

私が大好きだった頃のスクリッティ・ポリッティの音が聴けるかもしれないと考えたのでした。

残念ながらその思惑は完全に外れでした。

それでも彼女の作品を追い続けていなかった私にとっては新鮮な楽曲が多々ありましたし納得のいく内容でした。

全編を通しての音楽性から感じたのは、アメリカ合衆国では白人層にも聴いてもらえる作りにしない限り商業的な成功はないのだろうな、ということでした。

ショー・ビジネス。でしょうか。

私には今現在のアメリカ合衆国の音楽業界がどうなっているのかを知る由もありませんが。

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8月2日(金) ディスコ・ブームで消え去って

地球温暖化は確定した事実である、かのように思わせるような猛暑が連日続いています。

で、暑くても熱くしてくれるWARです。

1970年代前半に「Slippin' Into Darkness」(ウェイラーズの「GET UP, STAND UP」の土台になったと思われる楽曲)、「The World Is A Ghetto」、「The Cisco Kid」、「Gypsy Man」、「Why Can't We Be Friend?」などヒット曲を次々と連発していた彼らでした。

彼らのアナログ盤をもっていなかった私ですが当時FM放送での彼らの特集番組をカセットテープに録音して繰り返し聴き続けていました。

いまだにワカメ状態にならずに健在なそのテープを製造したTDKは偉い!

CD時代になってから何度も彼らのベスト盤を物色したものの納得できる内容のものをみつけることができないでいました。

先日CD屋さんでたまたま彼らのコーナーをのぞいたら今まで見たことのないベスト盤があり、私にとっては満足できる選曲だったのでさっそく購入しました。

grooves & messages THE GREATEST HITS of WAR

流行に迎合した前置きがちょっと気恥ずかしい題名のアルバムです。

なお、おまけでリミックス・ボーナスCDも付いています。

最近では一部のアフリカのバンドを除けば聴くことのできなくなった「タメ」のきいたリズムの躍動感に新鮮ささえ覚え、音数を絞り込んで隙間を生かす感性に彼らの凄さを再認識しました。

そういえばサックスとブルースハープのユニゾンによるリフも彼らの特徴でしたっけ。

最後の方にディスコを意識した4つ打ちの楽曲が数曲入っていますが彼らの個性と相反するのであんまり良くないです。

トッチータッチー一辺倒のリズムで展開されるディスコミュージックのブームに乗り切れずに消えてしまった彼らはもっと見直されるべきだと思います。

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