2001年9月分

音楽雑記帳

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9月22日(土) 200円とはいいことだ!...ろうか?

またまたバザールで入手したものです。

なんと今回登場する2作品はどちらも200円で売られていたものです。

まずは近田春夫氏ひきいるビブラストーンの1991年から1994年までの楽曲を集めたリマスター・ベスト・アルバム。

CD盤の表面にレンタル・シールが貼ってあるので使い古されたものをCD研磨機にかけてリニューアルしたものでしょう。

最新ヒット曲について考えている同氏の連載記事は時々読んでいたのでその彼が作る音に関心がありました。
また、私より世代が上なのに私の苦手ないわゆるJポップの最前線をチェックし続けている同氏にある種の敬意ももっていました。

安心して聴ける流石の音作りのうえにのった言葉で時代や世相に対する彼の不機嫌さが伝わってきます。

ここ数年「リスペクト」という私のなかではすわりの悪い言葉がよく使われるようです。
これは、「オリジナル」がどこにあるのかを知ったうえでないと成り立たない感情です。

大昔にアルバイト先で、「ビートルズって結局モンキーズの真似じゃない!」という一瞬我が耳を疑う言葉を聞いたことがありました。
若い世代の音楽を聴いていると時々この種の勘違い者が作っているのではと感じることがあります。

もう1作はsimply redの「Life」です。

バンドが三頭体制になる前で屋敷豪太氏は参加していないのですがjeff beckの「YOU HAD IT COMING」をプロデュースしたandy wrightのプログラミングとキーボードの手腕を知りたかったのです。

一部に打ち込みだとすぐに分かるところなどもあるもののノリが良いことは確かです。

BGMに最適、っと感じるあたりが吸引力で何か一つ足りないことをあらわしているようにも思います。

それにしても両作品ともに定価で買ってもけっして後悔することのないできなので、200円というお買い得な値段に対して複雑な心境になってしまいました。

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9月4日(火) ギタリストもの2作品に考えさせられる

バザールで入手。先月からの続きです。

今回はギタリストというよりマルチ・プレーヤーと呼ぶべきかもしれないmike oldfieldの「Guitars」(1999)とtoninho hortaの「DIAMOND LAND」(1988)の2作品についてです。

Guitars」はパッケージから国内盤の新古品(?)と思われます。
それが千円ちょっとで売られていたのは何故なのでしょうか。

彼の作品は80年代半ば以降は聴いていませんでしたし、それ以前に継続的にフォローをしていたわけでもありません。

昔渋谷の某プログレ系ロック喫茶(死語)でよくかかっていたのを聴いたくらいで、彼の作品はほんの数点しか手元にはありません。

というわけで彼の音を聴くのは本当に久しぶりです。

デビュー時の印象が強烈だったためか私にとっては彼は一人で多重録音する人というイメージがいまだに強いです。

このアルバムでは打楽器音の打ち込みまでMIDIギターを使ったそうで、完全に彼1人で演奏したそうです。

独特なビブラートの付け方から壁のようなギターの多重録音サウンドまで彼の世界は変わっていなくて一安心しました。

高校生だった頃はこの種の音楽を耳でというより心、魂で聴いていた気がします。

その後軽薄短小な人生を送ってきたせいか、はたまたBGM的に上っ面だけを聴きがちな音楽に毒されてきたせいか、重く深く暗い世界に没入するには覚悟が必要になっていることに気が付きました。

「孤高の人」に自身の音楽への接し方を反省させられてしまいました。

DIAMOND LAND」の世界は同時期のpat metheny groupのそれと共通するものが多くて驚かされました。

以前に二人が共演した際にお互いに影響しあった結果だと解説にはありました。

とっつき易いからといって底が浅いとは限らないということもある見本のような音楽です。

2作品共に文化的遺産のうえに成り立っている音楽だと感じました。

歴史上一度も侵略、征服されたことがない日本人は、必死で自分達の文化を守るという経験をしたことがなかったためか、近代の節目節目で自ら安易に文化的遺産を捨ててきてしまったようです。

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