1999年10月分

音楽雑記帳

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10月21日(木) 差し障りのない「さわり」かもしれない

買う際には、たとえファンであってもある種の思い切りが必要とされるyesの新作が既に発売されている。

前作「OPEN YOUR EYES」が出た時には、買う前にタイトル曲のイントロの部分をyesworldで試聴して気に入ったので買ったのだが、どうやら一番美味しい部分を聴かされていたことが判明した。(^^;)

新作「LADDER」も同サイトで試聴できる。しかも全曲のようだ!

今それらの曲を試聴しているのだが、、、

どの曲も30秒前後の「さわり」を2ヵ所ほど聴くことができるようになっているのだが、その部分を聴く限り私はなかなか気に入っている。

また各メンバーの新作に関するインタビュー記事もいくつか読んだが、全員今度のアルバムの仕上がりには満足しているようだし、アルバム完成直前に他界したプロデューサー氏の多大な貢献にも敬意を表している。

前作がグループ自らのプロデュースだったことを考えると外部から敏腕プロデューサーを迎えたことによって期待度は高まる。

もうしばらく「さわり」を聴き続けてみて、もしやの失望感を受け入れる心の準備が整うかどうか様子をみてみようと思っている。(大袈裟か)

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10月9日(土) シンセサイザーの個性的使用法は?

世界のTOMITA、冨田勲氏がその昔「シンセサイザーの音というのはないんです。」と言っていた。

つまりシンセサイザーには既存の楽器のように誰が弾いても同じ楽器だと分かるような意味での音色があるのではなく、音色そのものから作っていく楽器がシンセサイザーだという意味だった。

当時相当高価だったアナログ・モジュール・シンセサイザーを日本で始めて導入したのが冨田氏であった。

彼は既存の楽器にはない音色を自身の想像力で創造する目的でシンセサイザーを手に入れたそうだ。

それまで演奏者の技量に委ねられていた音色を作曲者が操ることができるのも魅力的であっただろう。

初期の電子鍵盤楽器に付いていた生楽器を模倣したプリセット音色は実物のそれとはかけ離れていてよく笑わせてもらったものだった。

しかしPCM音源、サンプリング技術の普及とともに一応その楽器と分かる音色がするようになった。

それにともなってシンセサイザーは既存の生楽器のお手軽な代用品になってしまった。

そこには創造性もないし、想像力を刺激もしない。

TOMITAの「月の光」を聴いてみるとするか。

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