「食いしばり歯痛」で載せた話の続きです。 痛くなるたびに歯を削る応急処置をしてきた右上一番奥の歯を抜歯しました。 食事中に経験したことのない激痛を感じたからです。 痛くなっていた奥歯の部分だけではなく、右あご全体に高圧電流が流れたような強烈な痛みが瞬間的に走りました。 自然と涙が流れるほどの痛みでした。 すぐに歯科医院の予約をするとともに、決して飲むことのなかった鎮痛剤を服用しました。 そうしなければ何も食べられないし眠れない状態だったので。 受診した際に、再度削って様子をみるか歯を抜くか、との選択を迫られました。 対症療法の効果は限定的なので抜歯という原因療法しかない、と事前に決断していた私は迷わず抜歯をお願いしました。 痛みの原因は歯周病とのことでしたが、歯茎の病気で歯が痛い理由がよく分かりません。 歯自体にひびが入っていると言われたものの、抜いた歯を見ても、どこにひびがあるのか判別できませんでした。 抜歯した奥歯付け根部分の歯茎、特に前側がやせてしまっているのは鏡で見てとれましたが。 歯を抜いたことによって痛みからは完全に解放されました。 一番奥の歯なので義歯をつける必要は当面ないとのことで助かりました。 抜歯して新たに分かったことがいくつかあったので以下に記しておきます。 まず、麻酔薬が劇的に進歩していることに気づきました。 なんせ歯を抜くのは親知らずを抜いたとき以来なので、35年以上経っています。 当時は麻酔の注射を打つ前に笑気ガスを吸わされたことが懐かしく思い出されます。 現代の麻酔薬は打ってから効き始めるまでの時間が格段と短くなっていることに驚きました。 打ってからすぐに歯を抜こうと準備を始めたので、痛みを感じるのではないかとはらはらしたものの、痛みは皆無。 恐るべき即効性です。 しかも効果は長く続き、麻酔が切れてくる際に感じる痛みはなく、ピンポイントで効くのか唇がゆるむこともありませんでした。 しかし、ピンポイントで効いていたのではなかったようです。 といのも、上だけではなく下の歯茎まで麻酔の影響を受けたらしく、数日間歯茎が出血しやすい状態になったからです。 その後は麻酔について何の問題もありませんでしたが、このように麻酔薬が超強力になったことで麻酔による医療事故が発生しているのではないか、と合点がいきました。 次に、抜歯した影響がほかの器官に及ぶことがあることを知りました。 歯を抜いた直後に歯科医から、当分の間強く鼻をかまないように、という注意がありました。 奥歯の根先が鼻と耳をつなぐ管まで達していたために、歯を抜いた際にその管に穴が開いたとのことでした。 呼吸したときに抜歯した部分から空気が抜ける感じはするか、と聞かれました。 そんなことがあるとは知らなかったのでビックリはしたものの、空気が抜ける感じはしないし穴が開いている感覚もなかったので、そのように返答しました。 すると歯科医は、自然にふさがると思うが万一ふさがらない場合は縫うという手段もある、と説明しました。 結果として自然にふさがり、大事には至りませんでした。 この件でかつて姉から聞いた、奥歯を抜いた際に根が折れて厄介な手術になり麻酔を多用したことで一時期嗅覚を失った、という話の背景が理解できました。 今回母からも同様に、奥歯を抜いた後に嗅覚が弱くなった気がするという話を聞きました。 私自身は大丈夫でしたが、奥歯を抜く際の留意事項なのかもしれません。 そもそも奥歯が痛くなってもすぐに抜かなかったのは、自分の歯はできるだけ温存した方が良い、という考え方にもとずいていたからです。 正しい考え方であるとは思うものの、固執し過ぎると歯根の悪化が進んでしまい、抜歯した際に嗅覚や聴覚に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。 歯周病を患っている方は、あらかじめかかりつけの歯科医に抜歯時期の判断基準について相談しておくべきかもしれません。 そのような可能性を頭から否定する歯科医であれば、セカンドオピニオンを求めておくことをおすすめします。 最後に、直接抜歯に関係することではないものの、ちょっと気になるお話を。 抜歯後に化膿防止のために処方された抗生物質を服用しました。 記憶にはないので初めてかもしれません。 腸内細菌に悪影響があると推察されるので、今までは処方されても飲まずに捨てていました。 今回は歯科医に指示されるままに6日間18回服用しました。 案の定消化器官に変化がありました。 腸内にガスが溜まりやすくなり、かつ大便がゆるくなって軽い下痢のような状態が頻発したのです。 しかもそれが一ヵ月以上続きました。 今は以前の状態に戻っています。 できれば抗生物質は使わないにこしたことはないと思います。 鼻と耳をつなぐ管に穴が開いたことで聴力に悪影響があったらどうしよう、という不安があったので仕方なく抗生物質を服用したのです。 もし抗生物質を飲まなかったら、という比較は不可能なので、腸と聴力の優先順位で判断しました。 以上、なにかの参考になれば幸いです。 さて、歯周病に効く薬はないそうなので、せっせとていねいに歯を磨き続けましょうかね。 |
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