今からだいたい20年ぐらい前のこと、当時親交のあった今で言うフットリフレクソロジーの指導者の方から、あなたは将来膝が痛くなりますよ、と指摘されたことがあった。
理由をたずねると、足の薬指の先端にマメができているからとのこと。 腰痛の経験はあったものの、膝に痛みを感じたことはなく、断言されても半信半疑であったことを覚えている。 残念なことに、今になって現実化してしまった。 2年ぐらい前に歩行中突然右膝に体重をかけられないくらいの激痛が走り驚いたことがあった。 何故だか1分もしないうちに痛みは消えてしまったのだが、今思えば何らかの兆しだったのかもしれない。 昨秋のこと、右膝を曲げると痛みを感じることに気が付いた。 入浴時に膝を観察したところ、左よりも右の方が膨れていたので、赤くなってはいなかったものの内部で炎症を起こしていたのかもしれない。 老化という時間経過による身体の不可逆的変化は仕方がないとしても、医療行為による悪い方向への不可逆的変化を極端に恐れている私は、当然のこと、その程度で病院に行く気はなかった。 右膝の腫れが徐々に回復していくにもかかわらず、痛みは治まるどころか増していき、両膝が痛むようになっていった。 それまで1時間正座をしても平気だった私が、終いには正座はおろか、しゃがむことすら痛くてできなくなってしまった。 仕方なく、それまでしゃがんでしていたことは、両膝を床につけてするしかなかった。 膝に痛みを感じる姿勢は極力避け、痛みが治まっていくのを辛抱強く待つ覚悟を決めた。 毎朝晩の散歩の際に普段の早歩きは痛くてできなかったが、普通に歩く際の痛みはほとんどなかったのが救いだった。 膝の痛みに効果があるとされる体操をいくつか試してみたところ、確かに悪くはないのだが、実感できるほどの回復は望めなかった。 行政がらみで健康推進関係のボランティアを務めている連れ合いが、ゆっくりヒンズースクワットをすると膝の痛みにも良いらしい、と教えてくれた。 私は膝が痛くなる前から日常的にヒンズースクワットをしていたが、筋力維持を目的としていたため、テキパキと普通の速さで実行していた。 目的を膝の痛み解消と定め、20回1セットの超スローヒンズースクワットを、できるだけ毎日3セット実行することを心掛けた。 もちろん最初のうちは膝に痛みを感じる手前までしか膝を曲げないように注意しながら。 他の体操と比べると痛み改善効果がすぐに感じられたので、継続する意欲も保たれたのだと思う。 必ずしも直線的にぐんぐん良くなっていったわけではなかったものの、行きつ戻りつしながらも長い目で見れば着実に快方に向かっているのが実感できた。 膝の痛みのために長らく実行できなかった真向法も今では難なく行なえるようになったことが嬉しい。 今現在正座もしゃがむこともできるようになっているが、時々しゃがんだ時に膝に軽い痛みがあるので完治したわけではない。 死ぬまでお世話になるであろう我が膝であるから、大切にしつつも甘やかさずに、今後もできる限りは超スローヒンズースクワットを続けていこうと決意しているところだ。 |
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