前回まで2回にわたって述べてきた地区の色々な役の仕事の半分以上は、本来行政でなすべきものであると私は考えています。
この部分に深入りすると地方自治のあり方という根幹の問題に関係してきますので今後あらためて別の項目で扱うこととします。 今回からは地区民が相互扶助の精神で昔から続けてきた慣習が実際にどのようなものかについて記してみます。 「村八分」という言葉があります。
火事に関しては(3)で述べたように隣組はもちろん消防団がかけつけてくれます。 では葬式の時にどのような仕事を分担するかのか、私の体験を述べます。 祭壇を設置したり霊柩車、焼場の手配などは住宅地同様葬祭社にその家が依頼します。
近所で手伝いを出すのは葬式をだす家と同じ班の6~8戸で、各家男女1人ずつ計2人が協力するきまりになっていました。
一人しか来れない時には地区にもよりますが罰金を課すところが多いようでした。 人が亡くなるとその晩に手伝う全員が当家に集まり告別式の役割分担について相談します。 一番の大仕事は参列者のほとんどの人に食してもらう「別れ飯(わかれめし)」の段取りです。 亡くなった方の社会的地位や親戚の人数から大体の人数を予想して食材の手配をします。 過疎地では高齢化がすすんでいて2年に1度くらいは同じ班で葬式がありますので役割分担も暗黙のうちに決まります。 だいたい目処がつくと男衆は焼酎を飲み始めます。まったくよく飲むものです。私も嫌いではありませんが。
|
前に戻る | 目次へ戻る | 次を読む |