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農村で暮らす (10)

No.66(2001.11.02)


私が最初に体験した役は順番制で回ってくる班長でした。

班長初体験で何も知らなかった私は前任者からの引き継ぎ時に詳しく教えてもらうことにしました。

私の前に班長をしていたのは以前にもらい水をして親しくなっていたお隣さんだったので質問し易く助かりました。

その方が、何も難しいことは無い、とかねがね言っていたとおり特に複雑な仕事はありませんでした。

基本的には行政からの広報の各戸への配布と毎月の集金の二つです。

定期の配りものは月に1回公民館長が戸数分を自宅に届けてくれるので、それを1軒1軒に配って回ります。
時々臨時の不定期ものが来ることもありました。

集金も毎月月末に定期的に行ないます。

まず地区の月会費、農業の生産組合の会費、NHKの放送受信料、町営水道料金、共聴アンテナの月会費などです。

それから行政側で指定した月には税金も併せて集金します。
それに先立って年度始めに納税組合長から回ってくる税金の納付票を各戸に配っておくのでした。

ここで気が付いた方もいらしゃると思いますが、この様にこと収入、資産に関しては集落内で筒抜け状態になります。

後に個人納付という方法もあると知りました。
この場合は納付票も個人宛に郵送されてきます。

しかし、農村地帯の場合は本人が特に指定しない限り自動的に該当地区の納税組合に組み込まれてしまうようです。
少なくとも私の場合はそういう扱いでした。

おそらく行政としては納税組合に入れておいた方が業務が簡素化できるからでしょう。

さて、集金を終えた各班の班長、実行組合長、納税組合長、会計は毎月月末の夜に公民館に集まりお金を集計仕分けします。

その実務自体にはたいして時間はかかりません。

ただほとんど毎回流れで飲み会になり、またまた情報交換、噂話、世間話になってしまうのです。

年に何度かある集落の行事の際に各戸から集落に対して焼酎を2升ないし3升寄進するのが慣例となっているので、公民館には常に飲みきれない程の焼酎があるのでした。


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