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他人の処方薬で大火傷 (6)

No.91(2015.06.04)


湯穴温泉に浸かって患部の激痛が鎮まったものの、二晩ほどは真夜中に熱っぽいのと喉が渇いたのとで目が覚めました。

普段買っては飲まないスポーツ用ドリンク(って言うの?)のいただき物があって重宝しました。

幸いなことに三日目以降は夜中に目が覚めることはなくなりました。

鎮痛効果ともう一つ温泉のお陰様といえるであろうことは、患部に何も処置しないで服を着ていられたことです。

一時期下着に少々体液が染みた程度で、服が患部で擦れても痛みを感じなかったから不思議です。

火傷の表面積が大きかったからか症状が出てから一週間くらいは身体全体に強い悪影響を与えていたと分かる出来事もありました。

日常的に食していた魚の刺身を食べて体調が悪くなったのです。

刺身で食す好きな魚の一つであるトビウオの刺身を食べた時のこと、何だかいつもと全然違う生臭さを感じました。

が、かつて一度も買った刺身の鮮度がおちていたことはなかったので、傷んでいるはずはない、と頭で考えて全部食べてしまいました。

根が貧乏性なので捨てることができなかった、とも換言できますが。

食後に、吐いたり腹痛がしたり下痢をしたり、ということがなかったことから、いつも通りの鮮度だったのだろうと思われます。

にもかかわらず食べた翌日から二日間身体全体に力が入らず、食欲がなくなり一日一食で過ごしました。

明らかに刺身を食べたことが原因であると、頭で考えるのではなく身体の声で分かりました。

火傷で体調が悪くなっていたために、生魚を消化吸収する能力に欠けていたのでしょう。

体調が良い時には何とも思いませんでしたが、消化吸収という同化作用にはかなりの体力を要していることを思い知らされました。

以前に知人が美味しいと教えてくれた魚料理専門のファミレスっぽいお店で食事をした際に、メニューに注意書きがあったことを思い出しました。

曰く、抵抗力が弱っている老人や幼児が刺身料理を食べるとあたることがあります、と。

その時は、そんなもんかなぁ、店で食中毒を出さないための予防線じゃないの、と半信半疑でした。

今回自身が刺身で大きく体調を崩してみて、注意書きが真実であったことを身に染みて理解しました。


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