この年に何故タンジェリン・ドリームが来日したのかがまず思い出せません。
また彼らの作品の何枚かは友達にもらったり貸りたりして聴いたものの、決して熱心なファンではなかった私が見に行ったのも不思議です。 一度は見ておいたほうが良いとすすめてくれた友人に誘われたからだったのかもしれません。 レコードで彼らの曲を聴いていても、どうやって作っているのかという制作方法が気になってしまい、その世界に没入できない私でした。 そして高価なシンセサイザーを沢山使っている点に当時は羨望の念を抱いていました。 タンスのように積み上げられたモジュール・タイプのシンセサイザーの写真を見るにつけ、その威圧感に圧倒されたものでした。 大掛かりな機材群をこの目で見るのがコンサートに行く個人的な目的だったような気もします。 演奏の内容はまったく覚えていないのにシークェンサーなどのインジケーターが点滅していたことは記憶しています。 ただしそれは単なる視覚的な演出で、実際に出ている音とは関係ないようにも見えました。 この時にはすでにデジタル・シンセサイザーが登場していましたから「機材の壁」に対するありがたみも薄れていて冷静に観察していたのかもしれません。
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