2003年1月分

音楽雑記帳

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1月24日(金) 耐えられない過剰

TSUTAYAでは登録した会員の個人情報を販売するのが副業だそうです。

が、会員登録している私が割引キャンペーンの時しかレンタルしないせいか、今までDMや電話営業で売り込みのようなものはまったくありません。

先週の土曜日は1週間レンタル100円だったので久々に借りに行きました。

週に6本見る時間はないと思ったので「ザ・ダイバー」と「テルミン」は棚に戻して以下の4本を借りました。(鑑賞順)

「ストレイト・ストーリー」
登場人物が善人ばかりなのがちょっと気になるものの感動を無理強いしない作りが良いです。

「スパイダー コレクター2」
娯楽作品としては及第点か。前作のような陰湿さはありません。例によって命の扱いは軽いです。

「蝶の舌」
ラストシーンに思わず涙が。子役の上手さに驚かされました。おすすめ。

「海の上のピアニスト」
導入部がくどいのですが音楽好きならみているうちに自然に作り話の世界に引き込まれていくでしょう。エンニオ・モリコーネの音楽ももちろん悪くありません。
私が主人公のピアニストに強い共感をおぼえたのはラスト近くの彼のセリフを聞いた時でした。私自身も人、物、情報などあらゆるものが過剰な都会は住み辛いと感じたことがあったからです。
作品に道理を引っ込ますだけの説得力があります。
ブギウギ、ラグタイム、初期のジャズなどがお好きな方は必見かも。

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1月19日(日) デフレ極まれリ

いつもCDを買う地元のお店は(正社員の)店員さん自身が音楽好きかつ仕事熱心なので多少品揃えに不満足な点があってもなるべくそこで買うようにしています。

その店とタワーレコードとは別にもう1店比較的大きなCD屋さんがあります。

が、ガソリンスタンドなども経営している多角経営の企業が単に商売として音楽も扱っているという印象を受けたので普段は店の前を素通りしていました。

先日その店の前を歩いている時にふと店の方を見たら期間限定バーゲンという張り紙がたまたま目に入ってきました。

その日は時間もあり気力体力ともに充実していたので軽い気持ちでのぞきに行きました。

国内盤輸入盤ともに特売されていて輸入盤の方は値段表示に関係なく新品で全部180円均一という激安値。

どうせたいした作品はないだろうと端から確かめ始めたらはまってしまい、結局数万枚全部を見終えてしまいました。

悲しい時ぃーっ!、でそれらのなかに私がもっているアルバムが2点だけありました。

  • Take It To Heart」(1990)Michael McDonald
  • CALLING」(1996)Noa

どちらもアーティストが好きで買った作品ですが残念ながら不満足なできでほとんど聴かなくなっているものです。

最終的に私は、安いから買う、というデフレをさらに加速させる誤った消費行動をこの時にとってしまいました。

下記の6作品をローリスクにまかせて買ってしまったのです。

  • wild planet」(1980)the B-52's
  • POSITIVE」(1987)Black Uhuru
  • A BROKEN FRAME」(1982)Depeche Mode
  • ORGANISATION」(1987)Orchestral Manoeuvres in the Dark
  • CAPE CATASTROPHE」(1989)Percy Jones
  • HEART of MIDNIGHT」(1989)YANNI

いずれも今のところ積ん読ならぬ積ん聞状態ですが。

この頃時々リサイクル・チェーンのブック・○(<オフ、マーケット、パラダイスなど)に行きます。

そこで私は月日が経つにつれてあらゆる書籍の価格が100円に向かって下げられていくのを目の当たりにします。

その次の段階は3冊100円になりそうな気配も感じられます。

安くなるのは良いことだと無邪気に喜ぶ気には到底なれません。

むしろこの先どうなるのかという不安感とともに、その大きな流れに逆らうことはできないのだという無力感を感じてしまいます。

政府の規制緩和策がけっして国民のためになされたわけではなかったことが目に見えるかたちで証明されています。

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1月13日(月) 俺は舞ってるぜぇ!

元旦の初詣を別とすれば正月の三が日に外出はしないのが我家では普通だったのですが、今年は好天に恵まれた3日に隣県まで足をのばしてしまいました。

必ず立ち寄る個人経営の中古CD屋さんで一通り物色して店を出ようとしたらチラシがぶら下がっていました。

見ると近くのデパートの催物場で恒例の中古バザールを開催しているとのこと。

せっかく遠路はるばる来たのでちょっとのぞいていくことにしました。

既に全CDに目を通す気力は失せていたので、「希少盤(廃盤含む)」とされているコーナーだけ見てみることにしました。

こういうところに同じ作品が2枚以上あると、看板に偽り有り感、がわいてドッ白けることがままあります。

そこにgrandmaster flash & the furious fiveのCD「<<the grestest mixes>>」(1997)が1枚だけありました。

かつて彼らのアルバム「The Message」(1982)のアナログ盤をもっていたのですが、処分したかどうかをその場では思い出せませんでしたし、他のアルバムは聴いていなかったので買うことにしました。

家に帰って調べてみるとアナログ盤はありませんでした。

それ程思い入れはなかったんだなぁ、と想い起こしつつ聴き始めると身体が自然に動き出し表題状態に!

この種の音楽では古典になるのかもしれませんが、その簡潔な表現方法はかえって新鮮に聴こえました。

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1月11日(土) 「田舎のビートルズ」と称されたバンド

当サイトの掲示板の書き込みにレスしたことがきっかけになり、久しぶりにStackridgeの2枚目のアルバムである「FRIENDLINESS」(1972:掲示板では1971としましたが正しいのはこちら)を聴いてしまいました。

表題の様に称された彼らの作りだした楽曲群は今聴いても素晴らしいです。

そもそもあまり知名度の高くない彼らの存在を知ったのは偶然でした。

私が高校生だったその頃にグラフィック・デザイン関係のアルバイトをしていた姉がしばしばビクターの洋楽アルバムの見本盤をもらってきていました。

そのなかの1枚がこの作品だったのでした。

もちろん見本アナログ盤は今でももっています。

余談になりますが、ほとんど処分してしまったそれら見本盤群のなかで当作品とともに手元にあるのが、テクノ・ポップという言葉が誕生するはるか以前にシンセサイザーを主体としたインストゥルメンタル曲で世界的ヒットとなったタイトル曲を収録したhot butterのアルバム「POPCORN」(1972)です。

さて、「FRIENDLINESS」を聴いてすっかり彼らに魅了されてしまった私は、その後他のアルバムもアナログ盤で全て揃えました。

今もCDで彼らの全作品をもっているので一応ファンと言えるでしょうか。

どのアルバムもそれぞれ素敵ですが、私の趣味では2枚目のこの作品が突出してできが良いと感じるので高く評価したいと思っています。

レスで書き込んだように10ccがお好きな方にもおすすめですが、ビートルズがお好きな方やコーラスに彼らとの共通点が感じられるビージーズがお好きな方には必聴と言っても過言ではありません。

現在でもボーナス・トラックが追加された同作品のCDは入手可能です。

が、購入に当たっては自己責任でお願いします。(苦笑)

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1月10日(金) あわてた情報乞食(=私)

昨年末にスイングジャーナル誌に載っていたディスクユニオンの広告を見てtoninho hortaのアナログ盤時代のアルバム「Toninho Horta」(1980)がCD化されて再発売されていることを知りました。

大好きなpat methenyが客演している楽曲も収録されているという情報も添えられていたので、迷わずその場で買うことに決定しました。

その広告の雰囲気から他店ではそれを購入できない感じを受けた私は急いでEメールで注文しました。

在庫があったらしく1週間もしないうちに商品は届きました。

CD盤自体は1,990円プラス消費税と廉価なものの代引手数料315円、送料500円が加算されて総額は2,904円というそれなりの値段になりました。

田舎暮らしをしているのでこの辺りは止むを得ないと考えるべきでしょう。

作品の内容はどこか懐かしい牧歌的な音で、心も安らぎますし聴けば聴くほどのスルメ効果が期待できるできでした。

年が明けた今月の3日に隣県のタワーレコードに立ち寄ったところ、なんと同作品が1枚だけ陳列されていて価格は2,390円でした。

さらに数日後、地元のタワーレコードにも1枚入荷して同じ値段で売られているのを目撃しました。

どちらにしろ買うことは間違いない作品なのですが、あわてて行動した自分に差額分の情けなさを感じてしまいました。

確か最初に目にした広告に「数量限定」という文字があったような気がします。

考えてみれば「先着○○名様限定」と同じ様にこれらの表現は購買意欲をあおる常套手段で、それにまんまとはめられたわけです。

新年早々情報に振り回された自身を反省するに及んだ出来事でした。

今年は情報に踊らされないようにしよう、と年頭にあって心に誓いました。

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