11月21日(水) |
豪華本ならぬ高価本 初版が出た時に立ち読みしたものの、定価が高かったのでその時には買わなかったkraftwerkの評伝「クラフトワーク(原題:KRAFTWERK Man,Machine and Music)」をその後書店でみかけることはありませんでした。 手に入らなくなったことによって逆に妙に気になっていたその本を先日偶然書店でみつけました。
300頁にも満たないボリュームで税別2,800円という値段は、デフレのご時世でさらに割高感をいだかせます。 にもかかわらず衝動買いをして読みました。 彼らの熱烈なファンなら読むべきです。
というように販売部数を望めないゆえの価格設定だったのでしょう、多分。 再版してくれた水声社に対してはは感謝しつつも、5年も経っているのに校正されていない誤字が多い点に関しては苦言を呈しておきたいです。 実はその本と一緒に、バンドを脱退したヴォルフガング・フリューアの回顧録「クラフトワーク ロボット時代」も買ってしまい、今読んでいる最中です。 彼はオリジナル・メンバーではないし既にバンドを去っているためセールス的にはより不利な書籍です。 そのせいか大手のシンコー・ミュージックから出版されているにもかかわらず税別3,500円という、これまたお高い高価本になっていました。 まあ全然発表されない彼らの新作アルバムを買ったつもりになれば安いものだ、と思うことにしました。 |
11月15日(木) |
何故だかご無沙汰 初めてアフリカのバンドの音を聴いたのは70年代のオシビサ(懐かしい)だったと思います。 どの国の出身か知らなかった彼らの演奏自体からは、当時のラテン・ロック、サンタナなどと比べて際立った個性は感じられなかったと記憶しています。 その次にアフリカの音を聴いたのはかなり年月を隔てて80年代に入ってからでした。
ジュ・ジュ・ミュージックと呼ばれていたその音はとても新鮮に聴こえました。
何かのイベントで彼がバンドとともに来日した時の演奏をNHKで放送したものも録画しましたっけ、SONYのベータなのが泣きですが。 そのまた次に知ったアフリカのアーティストが今回とりあげるセネガルのYOUSSOU N'DOUR(ユッスー・ンドゥール)でした。 1986年に行なわれたジャパン・エイドがTBSの深夜枠で放映された時に彼らの演奏を見て衝撃を受けました。 そして彼らのアルバムを「IMMIGRES」、「THE LION」、「SET」、「eyes open」と聴き続けてきました。 先日バザールで彼の2000年のアルバム「JOKO」の新古盤をたまたまみつけ、そういえば最近聴いてないなと思い出し購入しました。 あい変わらず密度が濃く完成度が高い音楽であることを再認識しました。 音楽雑誌などで情報収集しない私がボーッとしている間に「ザ・カイド」というアルバムを1994年に発表していたこともこのアルバムの解説で知りました。 そちらも是非聴いてみたいと思っているところです。 |
11月9日(金) |
グローバリズムの光と影 先月初めて知ったカメルーン出身のミュージシャンrichard bonaのソロ・デビュー・アルバム「Scenes from my life」が行きつけのCD屋さんに入荷していたのでさっそく買い求めました。 国内盤の解説に載っていた彼の略歴を読んだ私は思わず唸ってしまいました。 全ての楽器を手作りしなければならなかったジャングル育ちの彼が最初に出会ったのがたまたまjaco pastoriusのソロ・デビュー作だったという不思議な偶然にまず感心しました。 またjoe zawinulのバンドに参加したことで彼が広く知られるようになったとは、、、
そのバンドが1997年春に来日公演をしたとも知り、見逃したことを残念に思いました。 彼はミュージシャンであるまえにまず人間として素晴らしい。 民主主義になって祖国の秩序がかえって損なわれた体験をした彼は民主主義を絶対視していません。 同様に外から民主主義を押し付けられた我が国の状況はどうでしょう。
民主主義と共に人間を愚民化する仕組みも抱き合わせで持ち込まれた、と考えるのは被害妄想でしょうか。 もっとも西洋白人が民主主義の名のもとに強引にグローバリズムを押し進めてきたお陰で彼のような才能に触れることができるわけです。 おっといかん、いつもの大風呂敷が、、、 この作品は音楽性もバリエーションに富んでいますし、なにより聴いていると穏やかな気持ちになってきます。 あらゆる音楽ファンにおすすめします。 |