2001年5月分

音楽雑記帳

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5月31日(木) 久々の邦楽もの新譜

例によってサウンド&レコーディング・マガジンを立ち読みしていたら佐久間正英氏のインタビューが載っていました。
なにやら The d.e.p なる企画もの系のバンドでアルバムを作ったとのこと。

氏はちょっと前にもその手のバンドで活動しましたが、その時はボーカルに私が大嫌いなJポップ系女性がいたので聴く気がしませんでした。

今度のバンドのボーカルは、某テレビ局の番組で小学生を騙し脅かししながらCDを売りまくったユニットにいたビビアン・スー!

氏のインタビューによると実際の彼女は実力派だという、、、

彼女は可愛いのでどちらでもよいが(^^)彼女目当てに買ったわけではありません、念のため。

全曲の作曲とギター、キーボードを担当する佐久間氏、ボーカル&作詞のビビアン以外のメンバーとして、ギターに土屋昌巳、ドラムに屋敷豪太、ベースにミック・カーン。

そうです、彼らが一堂に会して演奏したらどんな音になるのか聴いてみたかったのです。

最初の2曲はバンド演奏ではなく佐久間氏一人の手による楽曲です。

私はいきなりプログレ風味を感じてしまいました。テクノも入ってますしインドの香りも。イエスやスティーブ・ヒレッジのような明るいプログレに近い雰囲気で始まります。

アルバム全体としてはバリエーションに富んだ楽曲があり、ポップです。

しかしギター演奏を聴いているとしばしばフリップ、ハウ、ヒレッジらプログレ系ギタリストの亡霊が、、、(まだ健在でしたね)

ドラムの屋敷豪太氏は黒人音楽に影響を受けたそうなのでプログレっぽくはありませんが良いです。

プロデュースもできるメンバーがそろったので何度かリハーサルをするうちに自然と完成していったそうで、やはり彼らはある種の名人であることは認めざるをえません。

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5月23日(水) 新品・レンタル・中古品

某新聞の記事で、中古のCDや書籍のうち最近発売されたものに限って通常よりも高く買い取るサービスを始めた会社があると知りました。

それはうちの近所に店舗のない、したがって私が聞いたこともないブック・アイランドというお店でした。

インターネット上にそれらの作品の一覧表があるとのことでさっそくのぞいてみたところ、私の予想通りそこには私のもっているCDはもちろんのこと買おうかどうか迷ったものさえ一枚もありませんでした。
(^o^;)ゞ

音楽CDでは新作が発売された後の一定期間はその作品をレンタルすることが禁じられているようです。

しかし最新作購入後にそれをコピーしてすぐさま中古品として売ることは違法ではないでしょう。

その場合もし定価の3割で買い取ってもらったとしても音楽そのものを人より早く聴くということのためだけに定価の7割を費やしたことになります。

物としてのCDに執着しない人や住宅事情から保管するスペースがないという人の場合はそれでいいかもしれません。

しかし自分の愛するアーティストの作品だったら手元に置いておきたくなるのでは、と考えること自体時代遅れの発想で、単なるカラオケのお手本という場合も多いのか。

ところで中古品を扱うお店では仮に3割で買い取ったCDを定価の何割くらいで売るのでしょう?

人より早く安く最新の音楽作品を聴く一番経済効率の良い方法は発売日から毎日中古品店に通うこと、という結論になるのか。

一方カラオケで人を出し抜いていち早く最新曲をマスターしようと考えた場合にはレンタルという選択肢はありえません。

自動車市場だったらなんとなく分かるのですが音楽CD市場での新品、レンタル、中古品の位置づけが今一つ理解できない私です。

欲望を満たす際に単に貧富の格差によってその方法が異なるので多種の経路が整備された、としたら寂しいですね。

逆に将来インターネットであらゆる商業音楽を誰もが廉価で聴けるようになったとしたら雇用は確実に減るでしょう。
そのうえ小売業でスーパーマーケットの出現によって失われた客と店員との人間的つながり、信頼関係が音楽業界でも完全に消失します。

現状も未来も、言いかえれば経済効率の追求も技術の劇的革新も文化を豊かにすることとは無関係なことだけは確かなようです。

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5月13日(日) 一人ぼっちの時間と空間

「熟年」というよく分からない言葉があります。

このところ、自分もそのような年齢に達したのかなと実感しながら聴いている作品があります。

charlie hadenpat methenyのデュオによる「beyond the Missouri Sky」という1997年のアルバムです。

楽曲によりシンセサイザー(synclavier)やバッキング・ギターなどの音を重ねてあるものの、基本的には生ギターとウッド・ベースによる演奏が全体を通して主体となっています。

曲調はしんみりとした雰囲気をもつものが多く、聴いているうちに意識が内側に向かっていきます。

20代の頃だったら刺激が足りないと感じたのではないかと思います。

自分勝手に生きてきた結果として味わったなんとも言えない孤独感。
そんな自由だけれどどこか寂しい私の心を慰めてくれる音楽です。

自由とは孤独なものです。

我々大人が自由にできない(孤独に耐えられない)からといって子供たちを自由にさせる(孤独にさせる)のは彼らにとって重荷で可哀相だなぁ。

アルバムを聴きながらそんなことを考えてしまいました。

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