地球温暖化によるのかどうかは定かでないものの、かつて台風銀座と呼ばれた九州南部を直撃する台風の数が近年減少傾向にあります。 今回甚大な被害をもたらした台風19号は関東地方に上陸しました。 記録的な集中豪雨による氾濫がこれだけ多くの河川で起きたのは初めてでしょう。 ニュース報道でくり返し被害状況を見ているうちに、嫌な予感がしてきました。 富士山が噴火するのではないか、という推測が頭にうかんだのです。 なにを唐突なこと言ってんだ、と思う方がほとんどだと思います。 新燃岳が噴火した時のこの記事をご覧あれ。 富士山噴火の可能性がゼロではないことは科学的にも認められている事実です。 新燃岳が噴火した際には噴火の大規模さの予知はできませんでした。 その一方日常的に噴火をくり返している桜島については、山体の隆起や火山性微動及び地震の発生状況から、爆発的噴火の予知がある程度なされています。 仮に富士山の大噴火が事前に予知されたとして、それに対する具体的な対応策は検討されているのでしょうか。 火山の噴火によって広範囲に実害をもたらすのは降下する火山灰です。 私自身新燃岳が噴火した時には軽微ながらも火山灰の被害を体験しました。 火山灰は目に入れば痛いし息を吸っても喉や呼吸器官に悪影響を与えます。 ある程度の量が道路に積もれば車はスリップして走行できません。 富士山の大噴火となれば火山灰の量も相当なものになるでしょう。 以前見たテレビ番組では、集中的に火山灰が降る地域では火山灰の重さで木造住宅がつぶれる、と予測されていました。 それが極端な例だとしても、間違いなく桜島とは比べものにならないくらい大きな被害にはなります。 火山灰が降り積もった場合、陸路での救助や支援ができないだけでなく、ヘリコプターの飛行もできません。 地震や津波、洪水よりも救助支援活動はさらに困難です。 地震や津波の予知は現状では不可能です。 それに比べて火山の噴火は予知できる可能性があります。 富士山の大噴火ともなれば、事前になんらかの予兆がある確率が高いと考えられます。 また、地震や津波、洪水とは異なり、噴火してから火山灰が降下し始めるまでには一定程度の時間があります。 さらに、被害地域は噴火口周辺の風向き風速で予測可能です。 以上のことから、避難施設の建設や救助用専用車両開発などのハード的対策とは別に、ソフト的な対策も検討する価値があると考えます。 過去の気象データによる被害地域の予測と、それにもとずく非常用食料などの備蓄、堅牢な建物を避難場所として選定しておく、などです。 AIもあることですし、費用対効果を考慮しても着手しやすいと思います。 確かにいつ噴火するか分からない富士山ですが、噴火した際に国家的危機に結びつく可能性があることから、今から始める意義はあると考えています。 どなたか影響力のある方がこの記事を読んでくれることに期待します。 |
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