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土石流災害に思うこと (2)

No.213(2018.07.16)


頻発する土石流災害の直接的な原因は異常気象による前代未聞の集中豪雨であろう。

専門家は崩れた山の地質も大きな要因であると主張している。

山をおおっていた木々が原生林だったのか、それとも人工林だったのかを問題とした議論を耳にする機会は少ない。

想像を絶する雨量が土石流災害の直接的引き金であることは間違いないと私も考えている。

が、ここまで頻繁に規模の大小を問わず土石流や土砂崩れが発生する遠因は人工林にあるのではないか、と私は思うようになった。

農村に移住して日が浅かった時期に聞かされた話は、なぜ山にはスギやヒノキばかり植えられているのか、そのいきさつをを解説する内容であった。

はっきりとした年代までは確かめなかったが、数十年前の出来事として教えてもらった話だ。

材木が高値で売れた頃、今ほどスギやヒノキは植えられていなかったそうだ。

そんな時代に、戦前は大地主だった人の山から樹齢40年から50年くらいのスギやヒノキを切り出して製材するとかなりの金額になったというのだ。

その際は収入のあった当家に集落の男衆を招待して飲んで食べての宴会をするのが恒例になっていたとのこと。

村人たちに、材木は金になるということを衆知するのに効果絶大の飲み会であっただろう。


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