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新燃岳噴火 (3)

No.179(2011.03.07)


1月27日午後4時前の爆発的噴火を車中で見ながらの帰宅途中に夢見が丘の第3駐車場を通ったところ、数十人の野次馬が集っておりテレビ局のカメラマンもいました。

知り合いが何人かいたので爆発的噴火について聞いてみると、噴火の際にはかなり大きな音がしたとのこと。

桜島の頻繁な噴火に嫌気がさして鹿児島市から当地に転居してきた方が、この爆発的噴火により少しは噴火活動が落ち着くのではないか、と言っていたのが印象に残りました。

いつも通り夕方に犬の散歩に出かけた頃には新燃岳の火口は雲に隠れてよく見えませんでした。

なので火口から噴煙が出ている様子は分からないものの、散歩中ずっと地鳴り地響きが続きました。

もの凄く大きな和太鼓を思い切り叩いたようなドーンという音がするたびに、全ての家のガラスや外壁が震えてました。

歩いていると地鳴りの合い間に、ポツッ、ポツッとかすかな音が身の回りから聞こえてきました。

日中は晴れていたものの、その頃には雨が降ってもおかしくないくらいの曇天だったので、最初は雨が降り始めたのかと思いました。

が、何度もその音を耳にした後も、着ていた衣服に濡れたあとがありません。

耳を澄ましてその音に集中してみると、その時着ていたダウンベストに空から落ちてきた砂粒状の火山灰が当たる音だと分かりました。

その日は無風状態だったため、爆発的噴火で上がった噴煙が上空で拡散していたのです。

上空の雲だと思っていたものには拡散した噴煙も含まれていたのかもしれません。

帰宅してみると車の上には既に大きめの砂粒状の火山灰が積もり始めていました。

これからどのくらい火山灰が降り積もるか心配でしたが、心配したところでどうしようもありません。

帰宅後も数十分間は地鳴りが続きましたが、その後音はしなくなりました。

それでやっと落ち着いた気持ちになり、火山灰が降った時は降った時だ、と開き直っていました。

以後の噴火時に地鳴り地響きが起こることは一切なく、桜島の噴火と長いお付き合いをしてきた知り合いの方が言った通りになりました。

翌朝目が覚めて外を見ると、舗装道路は灰色一色なものの、草木の緑はそのままで一安心。

外に出て車の屋根を見に行くと約1ミリ弱の降灰でした。

それでも鳥の羽ブラシで積もった火山灰を地面に落とすと音がしました。

火山灰の組成として砂状のものが多く、パウダー状の細かいものはごくわずかだったことから、かなり重い火山灰のようでした。

その後数日間強風が吹いたため、パウダー状のものは飛散してなくなってしまい、砂状のものだけが車道、歩道に残りました。

おかげで目や喉への火山灰の被害は免れることができ幸運でした。

この時の降灰が当地での最初の実害でした。


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