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標準語のイントネーション

No.94(2002.09.02)


芸能人タモリ氏の存在がまだまだアンダーグラウンドでその芸風に過激さが残っていた頃のパロディーギャグに、成人の日にNHKで放送していた「青年の主張」を茶化したものがありました。

「私が、○○するようになったのは、父から言われたわけでも、母から言われたわけでもありません。」(これを故意に可笑しなイントネーションで話す)
というものでした。

残念ながらこれまで私が住んでみた地方では今でも公共放送や公の場でこのような間違ったイントネーションで標準語が話されることがあります。

よそ者にとって即座に理解することは難しいという問題があっても、私は方言が好きです。
むしろ沖縄県のような方言での放送が各地に増えた方が、旅行者などにとっては新たな楽しみができて良いと思っているくらいです。

しかし話し言葉としての標準語は、日本全国何処でも正しいイントネーションで話されるべきだと考えます。

私の推測では、正しいイントネーションで標準語を話せる地元の人間が上手く話せない人に注意することは無遠慮だ、という考え方が地方では強いから改まらないのだと思います。

そのせいで誤ったイントネーションで標準語を話している当人にはおそらく自覚はないのでしょう。

地方の放送局のアナウンサーは日本全国から募集しているためかほぼ正しい話し方をしているようです。

私が特にひどいと感じるのは地元の放送局で天気予報や道路交通情報を担当している方々の標準語です。

テレビやラジオで話すのですから当然ながらプロですので田舎の馴れ合い体質に甘えるべきではないと思います。

市町村議員さんたちも海外研修する予算があるのなら公人として正しい話し方の研修を受けることは有益だと思います。

何故なら公式の場で使われる標準語は子供達に大きな影響を与えるからです。

地方から都会に出た際に言葉の問題でコンプレックスを感じる場合が多いというのはよく言われることです。

言葉の問題だから学校の国語の先生に任せておけばいいというのではあまりに無責任過ぎます。

この誤った標準語の問題は、地方に住んでいて標準語のイントネーションの正誤が見抜ける大人達全員の連帯責任だ、と、もはや青年ではない私は強く主張します。


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