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地方行政に接して (2)

No.83(2002.05.12)


私が田舎暮らしを始めた町の人口は約一万三千人でした。

移住後に最初に私を呆れさせてくれたのは、隣りの集落に住んでいて役場に勤めている課長職の男性でした。

一度だけ会ったことがあり面識だけはあったその人と次に会ったのはある飲み会の席ででした。

私のそばに来て私の家族構成を得意げに言い当て、しかも自分の部署ではない住民課で調べたことまで平然と話しました。

彼が特殊なのではなく、むしろ典型的な例だと後に私は知りました。

守秘義務などというのは有名無実です。

酒に酔った勢いで私に直接話した彼などは正直で良い人な方です。

国民を見下す官僚が存在するのと同様に住民に対して優越意識をもつ地方公務員も確実に存在します。

役所や役場の建物の立地条件にそんな意識が反映している例に接して驚いたことがありました。

とあるその町の人口は約一万人です。

農村地帯で過疎化が進むその町の役場はなんと小さな山の上にあったのです。

住民からみれば明らかに不便な場所です。

何故だかお気付きでしょうか。

お殿様になった気で山の上にお城を建てたとしか私には思えません。

私に言わせれば非効率で意味の分からない色々な決まりごとが地方にはあります。

それらの背景にはその種の優越感があることを常に意識しておく必要があります。


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