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マクロビオティックとの出会い (19)

No.53(2001.06.06)


自己流で急激に食事法を切り替える行為が命懸けであることを実感したお話で、この項目を締め括りたいと思います。

玄米菜食を基本に少食で半断食に近い食事を半年間続け、体重が激減した頃にちょうどゴールデン・ウィークの時期を迎えました。

私のサラリーマン時代には、仕事の休みがとれると夫婦で旅行に行くことが恒例になっていました。

この時は田舎暮らしの下見も兼ねて南九州へでかける予定にしていました。

ところが出発の前日の深夜、かつて経験したことのない激しい腹痛が突然私をおそいました。

下腹部に腸がねじられるような痛みを感じ、息もつまるほど苦しいのです。

その時脳裏には、食事法が間違っていたのかもしれない、今自分の身体に何が起きているのか、これからどうなるのか、という3つの不安が繰り返し浮かんできました。

あまりの痛みに救急車を呼ぶことも考えました。

が、体質が変わりかけている時は薬品に対して過敏に反応する、と何かの本で読んだ記憶があり、その危険性を思い躊躇していました。

最後の最後に、どうせ死ぬなら自分の責任で死のう、自分が信じたやり方に賭けようと決心し、救急車は呼ばないことにしました。

それからは連れ合いがコンニャクの温湿布を下腹部に繰り返し当ててくれ、何とか朝まで痛みをこらえることができました。

そして早朝に便意をもよおし、トイレで排便すると同時にその痛みは消えてしまいました。

はっきりとは覚えていませんがそれまで経験した液状の下痢便とは異なった真っ黒い粒状の便でした。

後日これが断食や半断食をした際に出るいわゆる「宿便」だと知りました。

頭(心)の中に曇りが一切なくすっきりとしたその朝の感覚は忘れられません。まさに生まれ変わったような気がしました。

残念ながら旅行はこの一件で中止になりました。

しかし頭がすっきりしたお陰で、それまで色々なしがらみから決心がつかなかった田舎への移住を決断できました。


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