最終回は直接風呂とは関係ない「おまけ」です。 前回述べた、沸かすのに使った薪の種類によって湯の性質が違うことを体験してみて思い起こしたことがありました。 それはマクロビオティックの指導者の1人で、ボストンを中心に活動している久司道夫氏の著書に書いてあることでした。 その内容は、料理に使う火は薪の火が一番で、炭火、石炭、ガスの順で続き、電気やマイクロ波は避けた方がよい、というものです。 初めてこの記述を読んだ時はまだ五右衛門風呂を未体験だったので、そんなことがあるわけないと思いました。 しかし料理でいえば煮物にあたる五右衛門体験をしてみて、火の種類で明らかに違いがあることが分かると、そうだろうなと納得がいきました。 火が直接当たる焼き物はさらに違いが顕著でしょうし、揚げ物や蒸し物も多かれ少なかれ火の種類による違いはあると思います。 炭火焼を「売り」にしている店は多いですが、主に味が良いという点でそうしているのでしょう。 食べたものが私達の身体を作るのですから、この違いは重要ですし、長い間には使っている火の種類で体質も変化するでしょう。 久司氏の講義を受けた時に、ガン患者を食事療法で直す際に電気で調理しているとガン細胞の増殖は止まるが小さくはならない、という話がありました。 ガン細胞を小さくしていこうとするなら最低でもガスの火を使わなければいけないそうです。 食べ物の種類だけでなく調理法も大切なようです。 考えてみれば動物の中で人間だけが料理をします。 料理を他人まかせにしていると限りなく家畜に近づいていってしまうかもしれません。 |
前に戻る | 目次へ戻る | 次を読む |