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道路舗装の仕様

No.108(2022.09.05)


道路といえばイコール舗装道路です。

古い話になりますが、昭和30年代には東京都内でも舗装していない道路が身の回りに普通に存在していました。

当時の洗濯石鹸の宣伝では「泥んこ汚れもおちる」などという表現もありました。

子供たちは未舗装の道路で遊び、転ぶこともあったのです。

道路をすべて舗装してきたのは世の中が車社会へと進んできたからです。

人、人間のために舗装してきたわけではない、と私は思います。

今回はそれ自体に対する批判は控えます。

別の機会に毒を吐きたいと考えております。(苦笑)

農村に移住した今から30年以上前に、地区の人から水兼道路を教えてもらいました。

雨が降った時には水も流れることを想定して設計されている道路のことです。

一般的な舗装道路は、道脇に側溝などの水路が併設あるいは埋設されていることが多いです。

私が教えてもらったのは、予算がどの省庁のひも付きで回ってくるかで道路の仕様が決まる、ということでした。

普通の道路は国土交通省管轄、農道関連は農林水産省管轄、とのことでした。

そして農道関係にのみ水兼道路が適用されることがある、と。

私はそれが事実かどうかを確かめていませんし、現在は改められているかどうかも分かりません。

どちらにしろ私が住んでいるかなりの田舎でも、完全なる登山道を別にすれば、交通量にかかわらずほぼすべての道が舗装されています。

ただし、必ずしも適切な仕様で舗装されているわけではありません。

山道で片側の斜面上から雨の時に土や枯葉などが流れてくる場所に側溝が設けられていたりします。

激しい雨が何回か降れば側溝は土などで埋まってしまい水は流れなくなってしまいます。

すると雨水は道路上を流れます。

昨今のゲリラ豪雨では相当な量の水が道路上を流れていきます。

その際に道路に亀裂があると舗装は簡単にはがれます。

水が流れることを想定していない仕様であることが原因の一つであると考えます。

もう一つは重量が重い大型車が通行することによる道路の劣化です。

亀裂が入る主因は経年劣化ではなくこちらの方だと思われます。

すでに道路の舗装はほぼ完了してしまっている我が国土です。

地形や交通量を考慮して適切な仕様での舗装を、と望んでも手遅れかもしれません。

せめて災害復興で道路を復旧する際には仕様の再検討が成されることを期待したいです。

あわせて道路交通に関してもスピード違反の取り締まりだけではなく、積載オーバーに対しても、もっと厳しく対応するべきだと考えます。

できることなら大型車の通行を制限する路線を合理的に設定すればいいと思うのですが。

官僚や政治家の中に、国全体のことを考え、なおかつ生活者の心情を理解できる人物が存在するのかどうか。

はなはだ心もとないところであります。


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