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成りすまし食品

No.53(2005.01.10)


カニの身に似せた練り製品が開発されたのは何年くらい前だったでしょうか。

現在それは高級なカニの代用品というよりは、まったく別物の特別な食感をもった練り製品として食品界の中で定位置を確保しました。(ように私には思えます)

もっとも本物のカニの味に迫り切れなかったために結果としてそうなっただけかもしれませんが。

先日某サイトで食用ビニールなるものを知り愕然としました。

何でもファミリーレストランの安価な(にせ)フカヒレとして使用されているとのこと。

安物のイクラにも使われているそうな。

このことを知り、かつてから私が疑問に思っていたことが頭に浮かびました。

それは、近頃のタラコや明太子は大きさ形がそろい過ぎ、ということです。

いくら選別するからといって、あそこまで均一な姿かたちをしているのは不自然ではないか、と私はずっと考え込んできました。

あれは人工的な袋に詰め込まれ整形されているものと推察します。

確かにそれらを食べた時に、袋の部分の食感が昔食べたものとちょっと違うなと感じることが時々ありましたっけ。

法律上は問題ないのでしょうけれども、これでは業務用のチューブ入り明太子を笑えないのであります。

知らず知らずのうちにこのような成りすまし食品を庶民(死語)が口にして(されて)いると思うと腹が立ってきますね。

そういえば以前に連れ合いと外食をした際にしそ風味のサラダドレッシングで大笑いしたことがありました。

なぜならそのしそ風味が、確かにしそ以外の何ものでもない風味なのに、なおかつ「にせ」としか感じ得ない不完全コピー香料を使っていたからでした。

中途半端な成りすましはご愛嬌ともいえるものの、あまりに見事な成りすましには恐ろしさを感じてしまいます。

本物の高級食材は安くはない。

このことを庶民は(オブラートにくるまず)しっかりと肝に銘ずる必要があります。


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