洋楽ロックを聴き始めたのが小学校低学年だったので、イギリスもの、アメリカものなんていう意識はなかった。 中学校に入学した頃からハード・ロック、プログレッシブ・ロックを中心に聴くようになり、いつのまにか自分の中でロックといえばブリティッシュ・ロックだけを指すようになっていた。
当時私が暗かったためかアメリカ人の陽気さに違和感があった。 アメリカン・ロックをすんなり聴くことができるようになったのは、マイケル・マクドナルド加入後のドゥービー・ブラザースのファンになってからだった。 そのマイケル・マクドナルドがコーラスで参加していたクリストファー・クロスの最初のシングルを聴いて気に入り、すぐにアルバムを買った。 彼の澄んだ高い声はとっても魅力的であったが、デビュー時のレコード会社の戦略として彼の容姿は非公開にされていた。 その容姿を初めて目の当たりにした時の衝撃は大変なもので、その昔エルトン・ジョンの体形を知った時のそれを想起させた。(笑) レコード会社の戦略は裏目に出たのではないか? それはともかく彼の歌もバンドの演奏も素晴らしく、とてもデビューしたばかりのアーティストとは思えない良いできだった。
この時は初来日公演でアルバム1枚分の持ち歌しかなかった。 イギリス、アメリカを区別しないで聴いていた頃に大好きだったあのサーフィン・サウンド!
思わず童心にかえってしまったアンコールが一番楽しかった。
追記1(2022.03.06) 場末に響く天使の歌声(2008.02.16記) 追記2(2022.03.06) この記事を書いた時点では知らなかったことについて追記します。 確か今から十数年前のことだと思うのですがネットで、佐野元春がクリストファー・クロスの前座をつとめた、という内容を目にしました。少し気にはなったものの、彼のファンではない私は、真偽を確かめませんでした。 最近ふと思いつきネットでさがしてみた結果、事実であることが判明しました。 実は最初にこの記事を書いた時に、関連した不思議な記憶があることは認識していたのです。私の記憶と、このコンサートを一緒に楽しんだ今の連れ合いの記憶にもとづいて記しておきます。あくまで記憶に頼っていますので、事実とは異なる点があるかもしれないことを最初におことわりしておきます。 当時私たちがコンサートに行く際は、少なくとも開演の30分前には会場入りしていました。ですからこの時も同様だったと思います。 座席を確認した後、プログラムや飲み物を買いに行ったりトイレに行ったりしてから席に戻っていました。他のお客さんも同じような行動をしている開演前に、不可思議な光景が目に入ったのでした。 ステージ上の端っこのところで誰かがギターの弾き語りのようなことをしていたのです。音は小さく、ちゃんとPAを通しているとは思えませんでした。しかも客席の照明は点灯したまま明るいのです。さらにそれを誰も聴いていないのです、というより気にもとめていない様子でした。 事前にアナウンスがあったのかは不明ですが、少なくとも私たちは聞きませんでした。客席最前列に陣取って応援する熱狂的なファンもいませんでしたし。 二人ともそのような記憶しかなかったので佐野元春氏と結びつかなかったのかもしれません。ネットの情報ではピアノの弾き語りでサックスも加わっていたとされています。 今回私たちは話し合ってお互いの記憶の共通点を確認しました。やはり上記のようなことしか思い出せませんでした。 1980年当時、私はまだ夢をもって楽器演奏を続けていました。ですからステージで孤独に演奏しているのを見て、他人事とは思えず気の毒に感じたことを覚えています。 もしもあなたが彼のファンであるなら、ステージデビューといっても必ずしも華やかなものではないこともあることを知った上で、応援して欲しいです。 「黒歴史」とかいう薄っぺらな表現は使って欲しくありません。 |
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