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白昼堂々詐欺未遂(前編)

No.224(2019.07.13)


恐ろしそうな犯罪を思わせる表題にて失礼いたします。

これから書くことはすべて実際に起こったことです。

高齢の母から電話があり、台所のシンク流し台下にある配水管から水漏れしているとのこと。

漏れる水の量がかなり多いことと、しょっちゅう見ている場所なのに今まで気がつかなかったことで、あわてている様子が電話から伝わってきました。

とりあえず漏れ出た水をふき取り、漏れる水が落ちる下に料理用ボールを置いて応急処置はしたところでの連絡でした。

母がお惣菜ものを一切買わずに自分で料理しているため、毎日使うところなので急いで修理する必要があります。

母は、手元にある24時間対応の水道修理業者のマグネットカードだかなんだかを頼りにしているようでした。

2社分ありテレビで有名タレントを使った宣伝をしているとのことでしたが、地上波テレビ番組を見ない私は知りません。

私の経験から広告費をたくさん使っているところは怪しいところが多く基本的に信用できないので使いたくありません。

以前に実家で風呂の緊急修理を依頼して対応がよかったことから加入した旧INAX系の修理サービスのことを思い出しました。

母にたずねるとLixilになっても継続加入しているとのこと。

大手メーカー系の方が信頼できると思い、まずはそこに電話してみるよう母にいいました。

少しして母から電話があり、留守電になっていたのでメッセージを入れておいたもののすぐに来てくれるかどうか分からないので心配だ、と。

そこで私が代わりに再度電話しました。

すると、混み合っているが順番につなぐのでそのまま待て、とメッセージが流れていました。

母は耳が遠くなっているので、録音メッセージがよく聞き取れなくて反射的に留守電だと勘違いしたことが分かりました。

待っていると、じきにオペレーターが電話口にでたので会員番号、名前、故障状況を伝えました。

サービスに登録されているシンクのメーカー名は「タイショー」で、私も前回帰省した際にたまたま別件で記録しておいたので承知していました。

あまり聞かないメーカー名ですが、なんせ実家は築五十年ですから。

即答は得られず折り返し連絡となりました。

が、30分待っても連絡はありません。

仕方ないのでこちらからもう一度電話し、さっきのオペレーターを呼び出してもらいました。

すると担当地域の現場作業員に連絡し、その返答待ちであることが分かりました。

作業員は多分現場で作業中であろうからいつ頃返事があるかは分からない、という心もとない答え。

応急処置だけでもしてもらえるのかどうかを念押しすると、担当者の裁量に任されているのでお断りすることもあるそうな。

さらに詳しくきいてみたところ、どうやらメーカー純正部品を使って修理するのが基本で、メーカーによっては単に取り次ぎするだけのサービス内容であることが判明しました。

大風呂敷好きの私ですが、合併でサービスの品質を落としてどうする、という本質的問題の追及糾弾はおいておくこととしました。(苦笑)

色々やり取りした結果今回の修理にこのサービスは適していないと判断し、キャンセルしました。

迅速に何らかの手をうたなければいけないので、私は気がすすまないものの前述した2社のどちらかに頼むしかありません。

テレビの宣伝を見ているせいか、母はいくらか頼りにしているようでした。

私は、もしも悪徳業者だったら修理できないと告げて高い料金をふっかけてくる、とごく一般的な注意だけはしておきました。

2社の宣伝物に書いてあることを母に読んでもらい、私が二つの中からより悪くなさそうな(笑)業者を選びました。

母がフリーダイヤルにかけたところ数時間後に来てくれるとのことで、即応性は本当だと分かりました。

そしてその数時間後母から電話がありました。

私がでるなり業者と代わるといいます。

一人で来た担当者は名を名のるなり、なんとか直そうと考えてみたが水漏れしている部分だけの修理はできないのでシンクごと交換するしかない、といいました。

ある程度予想はしていたものの、やっぱりそうきたか、と妙に納得してしまいました。


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