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噴火の記憶

No.199(2015.03.29)


数日前のこと、自宅で地鳴りのような小さな音が断続的に聞こえ、時によっては室内の戸やドアが音に合わせてガタガタ揺れることがあった。

初めのうちは、しょっちゅう起こる桜島の爆発や噴火による空振だろうと思っていた。

繰り返して同現象に接しているうちに、一種の衝撃波である空振にしては揺れの継続時間が長過ぎることに気付いた。

硫黄山に火口周辺警報が出たことを思い出し、もしや硫黄山の火山活動の影響か、とネットで火山情報を調べてみた。

なんのことはない、新燃岳の火山性地震の発生回数が3月20日以降増えているとのことだった。

道理で新燃岳が大噴火した時に室内で起こった現象に似ているわけである。

火山情報によると、大噴火後に一旦減少したと思われる地下のマグマ溜りが、2013年12月以降に新燃岳付近の地表が隆起し始めてきて、現在は再び大噴火前の状態に戻っているとも考えられるらしい。

また大噴火するかもしれないということか。

4年前に大噴火したことにより新燃岳の火口の状態はそれ以前とは異なっており、冷えた溶岩で蓋をしたようになっている。

もしもこのまま大噴火したら、今度の被害は火山灰だけではすまないであろうことが予想される。

専門家と称する人達にも難しい火山の噴火予想であるので、様子を見守るしか術がないのであるが。

何かの本で読んだが、約一万年前に錦江湾が形成された際のカルデラ火山噴火だったかが起きた後は、南九州に千年間人が住めなかったそうな。

もし今同じ場所で同規模の噴火が起きると、九州のほぼ南半分の地域には時速100kmの火砕流が広がるそうだ。

おっといけねえ大風呂敷。

まだまだ新燃岳大噴火の時の恐怖感は忘れていないことから大噴火は起こらない、と思いたいところだ。


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