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田舎の社交 (2)

No.135(2004.08.17)


それまでの農村での人間関係に疲れ切った私は、当地に移住してからというもの、人との付き合い方に対して非常に用心深くなっていました。

犬の散歩をしている最中に人と会えば挨拶はするものの、意図的に話しかけにくい雰囲気で接するようにしていたくらいです。

自分を殺してしきたりに従ってきた反動からか、他者との関わり方は自分が主導権を握り独断する、という強い決意を当時はもっていましたから。

都会育ちの私は、人との付き合いを深めるには段階を踏むのが普通だと考えています。

そんな私が別荘地に定住するというある意味特殊な生活を8年間経験した上での「土地の人」がいない環境での人間関係の段階づけを下に記してみます。

1.挨拶をしない(笑)

別荘を利用しに来ている人、定住者を問わず他人と口をききたくなさそうなオーラを発している人がいます。ちょうど8年前の私のように。(苦笑)

そういう人に挨拶をしても、無視されるか明らかに迷惑だという顔をしながら嫌々挨拶されるかなので、それによりこちらも不愉快になるので挨拶をしないというのが正しい接し方だと思います。

2.最低限の挨拶のみ

頻繁に顔を合わせない相手なら、この段階で足踏み状態になります。

3.当たり障りのない挨拶

何度か顔を合わせてお互いに顔見知りになったら、天気、気候など差し障りのない程度の挨拶を始めるとともに、相手と自分の相性が良いかどうかを見極めます。

4.立ち話

3の段階で、話をしてもよさそうだと感じた相手なら、機会があったら立ち話をしてみます。

5.茶飲み話

4を経て、さらに深く付き合ってみたいと思い、相手にもその気配があると感じられたらお茶でも飲みながらゆっくり話をする機会をもうけましょう。

慎重を期すならお互いの家ではなく店を利用しましょう。

強引に自宅に来させようとする人の中には単に自分の家を見せびらかしたいだけの人もいますので要注意要注意。(苦笑)

6.会食(酒席)で話す

5の段階で問題を感じなければ、この段階に進むのもありでしょう。

ただし、この相手とは末永く付き合い続けたいと確信してからこの段階に進んだ方が賢明でしょう。

5、6の段階で、自宅利用推進派はどちらかといえば田舎寄り、お店利用推進派はどちらかといえば都会寄りの発想です。

自分と異なる派の人と付き合う時は、人恋しいからといって関係を深めることを急ぎ過ぎないように特に注意しましょう。

何だか今回は妙に教条的になってしまいました。(失敬)

近頃ご近所さん同士で適切な距離をとれずに関係を悪化させた事例を時々耳にしたもので、、、

私の老婆心からついついこういう展開になってしまいました。

ところで、3の段階からいきなりゴルフでコースを一緒に回った後、2度と一緒にゴルフをしない、という(子供じみた)最悪な結果を招いた例も聞きました。(笑)

私はゴルフをしないのでよく分からないのですが、ゴルフをする方はこれまた要注意ですなぁ。


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