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マクロビオティックとの出会い (12)

No.46(2001.04.07)


その店では桜沢如一氏の著作を数種置いていました。
私はそれらのなかで初心者向きだと感じた「食養人生読本」を選びました。

さっそく読み始めたものの、ところどころに意味が分からない言葉がありました。

にもかかわらず、文章から情熱が伝わってきて勇気づけられる、という不思議な体験をしました。
桜沢氏の魂によって私の魂が揺さ振られるような感覚です。

それからはそのお店に行くたびに、一冊、また一冊と桜沢氏の著作を買うようになり、最終的には他の店にも足をのばして当時入手可能だった本は全て手に入れ読んでしまいました。

これは食事法を切り替えてから丁度1ヶ月ほど経った頃からの出来事だったと記憶しています。
今考えると出会った時期が絶妙でした。

何故なら脳も身体の一部ですので、体質改善していく過程で思考法や感受性も変化していくからです。

私の場合、体質が変化していくのと並行して桜沢氏の思想を吸収していったことになります。

おそらくごく普通の食事をしている人が桜沢氏による文に触れてもピンとこないと思います。
私自身の経験から類推すると、戦後民主主義教育を受けた世代、つまり外見は日本人でも中身がかなり欧米化してしまっている人達にはそれが顕著でしょう。

以前にマクロビオティックを熱心に実践している白人女性と話す機会がありました。
彼女は、マクロビオティックを続けているうちに桜沢氏の文章を初めて読んだ時より深く理解できるようになったという自覚がある、と言っていました。

同じ体験をしていた私は共感を覚えると同時に、自分自身が戦前の日本人とは異なる(白人である彼女に近い)ものになっているという事実を思い知らされました。


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