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初めて刺された虫 (1)

No.15(1999.10.24)


私はもともとアウトドア派ではなかったので、東京にいた頃もキャンプに行ったことはありませんでした。

ですから虫に刺されるといえば夏場の蚊くらいのものでした。

それとはっきりは覚えていませんが子供の頃に一度だけ蜂に刺されたことがあったと思います。

田舎に住んで農作業をしていて今まで見たことのなかった虫に何度か刺されました。

夏場の日中は暑くて能率が上がらないために早朝や夕方に仕事をすることが多かったのですが、そういう時間帯に多いのが蚋(ブヨ)でした。

土地の人達は「ぶとう」と呼んでいたので最初は分からなかったのですが、蚋という名前は知っていましたから昔は住宅地にもけっこういたのでしょうか。

この虫は蚊より小さいので飛んでいる時にはその形を見分けることはできません。

蚋はとても攻撃的でしゃがんで仕事をしていると顔、特に目のあたりを狙って突撃してきます。

こちらは首を振ったり手で払ったりするしかありませんが、そうすると作業の効率が悪くなってしまいます。

ですから集中して作業をしていると結果として刺されてしまうのでした。

幸い刺されてもその時にチクッとするくらいでそれほど痛くはありませんが、その翌日の朝に鏡を見て驚くのです。

目の近くを刺されることが多いのですが、刺されたあたりが大きく腫れて「お岩さん状態」になるのです。

数日で腫れはひきます。

免疫との関連か不思議なことに2回目以降は刺されても腫れることはありませんでした。

しかし何年間か刺されないでいると免疫が切れるらしく、顔をボコボコに腫らした土地の人を何度か見かけました。


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