農村に住んでいた時に、お隣のお婆さんから農薬散布した際の体験談を聞かせてもらいました。 稲作で田んぼに農薬を撒いた日は何か体調が悪く、やたらと唾液が出たそうです。 そのため農協(現JA)の指導する回数よりも減らして最小限の農薬ですませるように変えていったそうです。 作物が病気になったり害虫が発生する前に農薬を使うようになってから、農薬散布を「予防」と呼ぶようになったようです。 予防医学を連想させる良い語感ですが、実際は病気や害虫の被害が出るかどうか分からないうちに農薬を使うことになります。 長年化学肥料に頼ってきたり単一作物の連作を続けてきたりしたために、いざ被害が出ると全滅に近くなるのでやむを得ないのです。 ところで、JAでは「予防」を行った日にはお酒を飲まないように指導しています。 農薬に含まれている有害物質は肝臓で解毒分解されますが、アルコールも同じく肝臓で分解されるので、肝臓の負担が大きくなり身体に悪影響があるからでしょう。 農薬が精神に与える影響として厭世的になることが知られています。 気密性が高い現代の住宅内で、各種の化学物質に囲まれての晩酌。 「悲しい酒」にならないように注意が必要なようです。 |
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