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宣伝文句に踊らされ

No.37(2003.07.18)


私は使用頻度は低いものの多重録音用にALESIS社のAdatというマルチトラックレコーダーを使っています。

簡単に手に入るSVHSビデオテープを用いる点が気に入ったからでした。

当初は普通に買える民生用ビデオテープを使っていましたが、1997年にある音楽雑誌の広告でプロが使っているというソニー(またもや:苦笑)製のMQST-120というビデオテープを知りました。

ちょうどその年にAdat互換機を追加購入したこともあり、それまでの民生用テープで何も問題はなかったのにそのプロ御用達テープを買ってみるかと心が動いてしまいました。

プロが使っているという宣伝文句にまんまと踊らされてしまったわけで、進歩のない私の判断ミスでした。

値段が1本1,100円と民生用よりかなり高価なところも私にその製品が良さそうな気を起こしました。

どうせ買うならまとめてと20本も買ってしまったのも魔が差したとしか言いようがありません。

その数ヵ月後に、インターネットでみつけたあるプロのレコーディング・エンジニアをしている方のホームページで、Adat用のテープはソニー製は避けるように、とあるのをみつけて凍りついてしまいました。

「宣伝文句=現実」ではないという当然の事実をすっかり忘れていたことに気付いた私でした。(手遅れ)

先日その方が主張していたことの方が真実だったと思い知る悲しい出来事がありました。

3年前に録音した(同期させる)テープ2本のうち1本が早くも再生不良エラーを起こしたのです。

このことだったのか、と落胆の色を隠せない私。

それより古い他社の民生用テープは問題なく再生できるのに、、、

仕方がないとあっさり見切りをつけた起き上がり小法師な私は、それらを録画用に使うことにしました。

ところが今度は転用した17本のうち2本に問題発生。

1本は3回ほど繰り返し録画しただけでテープ巻き込み!瞬間的に頭に血が上った私はテープを切って解決。

もう1本は標準スピードで録画した映像の最初の20分くらいに渡って左から右に縦線が移動してその両側の色の濃さに差が出るという今まで遭遇したことのない変な症状発生。

どうやら録画用としても問題あり、の様相。

先ほど思い出せないそのテープの販売価格を調べるために当時の前出音楽雑誌のバックナンバーを流し読みしました。

その際に、私がそのテープを買った翌年にはソニーからAdat専用のテープが新たに販売されていたことを知りました。(遅いぞ)

恐らく制作現場で問題が多発したのでこっそり入れ換えたと推察されます。(これが社風か)

これからは宣伝文句を鵜呑みにするのではなくネット上の評判を先に調べて参考にしようと思います。


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