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野草茶の煎じ方

No.17(2002.09.20)


我家の食事を基本的に玄米菜食に切り替えた理由は森下敬一博士の自然医食という考え方に強く影響されたからでした。
自然医食は、補強食品と名付けた酵素や葉緑素などなどや薬草茶の利用を強く促す点がマクロビオティックと若干異なります。

当時は色々な補強食品を試したりしたものの今現在はその類の健康食品は一切摂っていません。

その一方、症状に合わせて処方する薬草茶という感覚ではなく、健康増進を目的に数種類の野草茶を煎じて飲むという習慣は今も続いています。
森下博士が、野草には既に身体の一部になってしまっている有害化学物質を切り離して排出させる力がある、と主張していたのがその理由です。

自然医食関連の書籍でも野草薬草茶関係の一般書籍でも煎じ方の記述は同じで、煎じる際はとろ火で水が半分くらいになるまで30~50分煮つめる、となっています。
ですから何の疑いももたずに我家では15年間にわたってその方法で煎じ続けていました。

ところが先日リンク集「網以後すぅ」に掲載しました「温心堂薬局HP」にある煎じ方の説明を閲覧してみて、必ずしもこの一般的な煎じ方が絶対ではないと考えるようになり、ちょっと不安を感じるようになりました。

そこで思い切って温心堂薬局の香田さんにメールで相談することにしました。
我家で用いている野草の種類とその煎じ方が理にかなっているかどうかをメールで質問させていただいたのです。(内容の詳細は省きます)

香田さんは快く回答、解説を返信してくださいました。が、その内容は私にとっては衝撃的でした。今までずっと誤った方法で野草茶を煎じていたことが判明したのですから。

30~50分かけて半量になるまでとろ火で煮つめる、というのは一般論、原則ということで、薬草の袋に書かれている用法も一般論で薬事法上のお約束でしかないそうです。

私が一番驚いたのは、長時間煎じることにより、かえって薬草中の有害成分が抽出されることにもなりかねない、という指摘でした。
なんでも、「自然界の毒成分の9割以上が植物由来で、少量、多種を取り続けても、長年の適応の結果一定の解毒はなされるものの摂取しないに越したことはない」というのが野草の真の姿のようです。
当然粉末などにして服用すると全ての成分を取り込むことになるという危険性も知らされました。

基本的に実の場合は葉よりも長く煎じるというのは素人でもすぐに納得できます。しかし、葉を煎じる場合にも野草の種類によって煎じる時間が異なることや、なかには有効成分が熱に弱いために非常に短時間しか煎じてはいけない野草があることなどは想像もしていませんでした。

病態や体調、体質によっても煎じる時間や方法を変える必要もあります。

というくらい細心の注意を払って行なわなければならないことだったのです。

病気の治療が目的でなかった私に目に見えた実害はありませんが、もっと早く知っておくべきでした。

私自身の反省から、何らかの治療を目的として薬草茶を利用する際には信頼できる専門家に直接会って指導を受けることを強くおすすめします。


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